こどもたちが自らの可能性を
広げられる社会を目指して
制度から抜け落ちて支援が
行き届かない領域を見極め、
助成事業と自主事業の両面から
社会課題解決に取り組みます。
深刻化する社会課題「こどもの貧困」に対して、地域で活動するNPOなどの団体への助成や、団体間のノウハウ共有や共通課題解決のサポートにも注力します。
地域で活動するNPOの団体などの助成および、病院や学校などと連携した有効な学びのモデルづくりや情報提供などに取り組みます。
災害によって深刻な被害があり、生活上の困難を抱えるこどもや、被災によるストレスや学習困難などを抱えるこどもに対する支援を行っています。
災害によって深刻な被害があり、生活上の困難を抱えるこどもや、被災によるストレスや学習困難などを抱えるこどもに対する支援を行っています。
今後、こどもたちに必要な、地域やコミュニティに主体的に関わり、社会をよりよくしていく一員としての役割を果たす力を育むために、DE&I の推進として、当事者研究の支援などを行いました。
志を同じくする多様な分野の方々と力を
合わせることで、
支援の輪が広がってきた
この10年間を、年表で振り返ります。
(詳しく見る場合は「 PDFで見る」を押してください。)
活動テーマは多岐にわたりますが、
それぞれの支援によって
届けられた
「まなび」が、こども達に自信や前向きに
生きる力をもたらしています。
これを一つの活動で完結させず、
モデル化
することで他団体や地域へと広く波及していく
事例も生まれています。
多様な人が社会参加できる環境作りを 2023 ー 24年 中高生が自分自身の特性やマイノリティ性に着目し、あらゆる開発や研究を行う「当事者研究」活動に対する支援プログラムの実施や、視覚のない暗闇空間で対話する「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の体験提供などを通して、「Diversity Equity & Inclusion」の実現に取り組んできました。当事者の目線を体感できる場を提供し、社会の変化を促しています。
こどもの権利を学び、自分の声の価値に気づく機会に 2024-25年 児童養護施設で暮らす高校生を7日間カナダに派遣し、現地ユースと交流するプログラムを支援。自分の意見を伝え、自己決定していくユースの姿を見た参加者たちは、自分の考えを表明することが将来を切り拓くことにつながると気づき、具体的な行動を起こし始めています。
病気療養児に適切な支援が届くように 2024-25年 病気療養中のこどもたちが、自分らしく暮らし学べるために、情報提供や交流活動、関係機関との連携を行う事業があります(小慢事業)。しかし現在の認知度は約2割程度。相談先がわからず、まなびを諦めてしまうこどもたちがいる現状を打破するため、自立支援員の認知向上のための取り組みを進めています。
アバターの力で、学びを諦めなくてよい環境を 2016年 ー ICT技術を活用し、入院中・療養中のこどもたちが遠隔で学校生活に参加できる仕組みを作ってきました。通学や行事参加をする分身ロボットOriHimeは、2021年に東京都教育委員会にて採択され、都立病弱別支援学校全5校へ配備されました。またメタバース空間上での展覧会でどこからでも参加できるモデルづくりなど事例を積み重ねています。
支援する側/される側の橋渡し役に 2024年 石川県能登半島では2024年1月の地震と9月の豪雨による二重の被災により、こどもたちが安心できる居場所が大きく失われました。1月に緊急支援として20団体への助成を行った他、被災現場とボランティア、双方のニーズをマッチングし、こどもの居場所運営へとつなげました。
「資金的支援」「非資金的支援」両側面からの助成を実施 2014年 ー 「経済的困難を抱えるこどもの学び支援」「緊急支援」は2014年から、「重い病気をかかえるこどもの学び支援」は2015年から助成事業を開始し現在に至ります。団体の課題や成長フェーズに応じた研修やつながりの機会などを設けて団体の伴走者となり、基盤強化と関係性づくりを支える非資金的支援にも取り組んでいます。
ベネッセこども基金では、設立当初から
「こども×まなび」をテーマとした活動や支援に
取り組んできました。
10年の節目となる今年、
共に歩んできたパートナーや、当事者の
こどもたち自身の声を改めて聴きました。
「重い病気を抱えるこどもの学び支援活動助成」助成団体「シャイン・オン・キッズ」こども企画室メンバー あきこさん(高校3年生)あきこさん(高校3年生)は中学受験直前に急性リンパ性白血病を患い、約2年半の治療を経て寛解しました。病気の告知を受けながら、周囲の細やかなサポートを受けて中学受験を諦めることなく、希望の進路に進めたあきこさん。合格した中学に通って学びたいという想いをモチベーションに闘病に向き合うことができたといいます。現在は、小児がん経験者として自身の経験をひろく発信する活動にも取り組んでいます。ベネッセこども基金では、あきこさんが所属するシャインオンキッズ(「重い病気を抱えるこどもの学び支援活動」の助成団体)と協働しています。
自主事業「カナダの社会的養護の当事者ユースとの交流プログラム」参加 ゆあさん(高校3年生) ゆあさんは、児童養護施設で生活するこどもを対象とした海外研修プログラムに参加した高校3年生です。渡航先のカナダ・トロントはこども自身が意見を表明する機会を重視した先進事例の多い都市です。トロントで同世代の社会的養護経験者と交流する中で、国境を越えて「一人の人として対等に語り合う経験ができた」というゆあさん。短い滞在時間の中で、自分がこれまで考えてきたこと、大人に伝えたいメッセージを堂々と発表する姿を見せてくれました。ベネッセこども基金では、複数のパートナー団体との協働事業として当プログラムの企画・運営に参画しました。
社会のあらゆる課題からこども達が受ける
困難の本質的な解決のために。
現場を支え、社会を動かす財団でありたい。
この10年で貧困と教育格差への注目が高まり、国の制度整備を含めた学習支援は大きく広まってきた一方、貧困率や、虐待、不登校などの数は減らず、こどもの生活を包括的に支援せざるを得ない、支援現場の現状が語られました。
保育・学童の現場からは、こどもの声を大人が聞き、信じて任せていくなど、日々の小さな合意形成の経験を積み重ねていくことの重要性が話題となりました。
それらを受け、ベネッセこども基金は、教育と福祉の制度が分立し、責任主体も異なる中、こどもにとっては一つの生活であることを常に意識し社会でこどもの学びと生活をどう支えるかを問い続ける必要性を感じました。
モデル性の高い事業への支援を通じて、社会に働きかける財団として、こどもたちの「よく生きる」を支え続けたい、という想いを新たにしました。
〔ぜひ対談全文をお読みください。〕
事務局紹介Movie
「ベネッセこども基金」が大切にしている
伴走支援の
様子をご紹介する
ドキュメンタリー動画です。
事業紹介Movie
「こども×まなび」をテーマとした
支援事業の全体像をご紹介しています。
次の10年も あなたと共に
ベネッセこども基金は
こどもたちが安心して自分らしく生き、
希望を持って未来を描ける社会をめざして、
これからも皆様と共に
歩みを進めてまいります。
今後とも、変わらぬご支援とご指導を
賜りますよう、心よりお願い申し上げます。