活動実績
重い病気の子どもたちが、分身ロボットOriHimeで卒業式に出席しました!
分身ロボットOriHimeで子どもの学びを広げる
「院内学級プロジェクト」とは
ベネッセこども基金では、病室から出られない子どもたちの学びを広げる支援をしております。その一環として分身ロボットのOriHimeを活用して、病室と学校の学びをつなげる「院内学級プロジェクト」を続けてきました。
先日、新型コロナウィルスの影響が懸念される中ですが、都内の特別支援学校の病弱部門でも卒業式が行われました。その中の1つ、都立光明学園では、どうしても病室から出られない卒業生のために、OriHime(オリヒメ)を使用しての参加となりました。(写真)
副校長先生からは、「まるで本人がいるかのように思えて、素晴らしい式となりました。保護者の方からも、OriHimeを使用できたことに対する驚きと感謝の言葉がありました」と感想をいただきました。
また、光明学園では、職員会議などで本校と分教室を結ぶ大切な役割を担っているそうです。感染症対策等でますます遠隔操作での授業や会議、コミュニケーションの必要性が重要になってきているとのことでした。
「卒業式に絶対参加したい!」
別の都内の病院では、療養中の生徒から「卒業式には絶対参加したい!」という強い希望がありました。そこで先生が立ち上がり、病室と元にいた学校をOriHimeでつないでの卒業式に挑戦されました。事前に両校の先生方が連携して通信テストを行った際は、生徒からは「このOriHimeが代わりに学校に行くのが楽しみ!」と笑顔がみられたそうです。
本番では無事に、同級生のみんなと一緒に卒業証書をもらうことができました。生徒本人は、「呼ばれて返事するのも、合わせて頑張れた。終わった後に、友達と話ができてよかった!」と感想を述べてくれました。先生からも、みんながそこにいることを意識して発声するなど、まるで共に参加できているかのようだったとのことです。
元にいた学校の他の生徒たちの様子も、「えっ?○○くんなの?」と驚いた様子にはじまり、会話したり、手が動いたりする様子を見て、とても嬉しそうに取り巻いていたそうです。先生や保護者の方からも、とてもあたたかい感謝の言葉をいただきました。
こうした取り組みは、ICTやロボットなどの技術に目が行きがちですが、先生方をはじめとする関係者の皆さんの想いや行動がなければはじまりません。今回も両校の先生方が事前の通信テストを行うなど、ご多忙中にも関わらず自発的に動いていただいたからこそ実現できました。
ベネッセこども基金ではこれまで4年間、「院内学級プロジェクト」を通して、都内の特別支援学校と連携し、学びの成果を検証してきました。こうした取り組みの結果が他の自治体でも認められ、より多くの学校や子どもたちに届くことを願っております。
【参考ページ】
院内学級の子どもたちの学び支援プロジェクト
/doc/ar/annualreport2016_3.pdf