公益財団法人ベネッセこども基金

活動実績

認定特定非営利活動法人ポケットサポートとオンラインゲーム大会を開催!オンラインゲームの実践のコツを伺いました!

病気・障がいを抱える子どもの学び支援

9月に実施した「重い病気を抱える子どもの学び支援活動助成」の助成団体の交流会では、団体の共通の悩みの解決や交流をはかりました。そのときのテーマの1つがオンラインでの子どもとの交流方法です。直接会えていたときには、楽しく行っていたボードゲーム。オンラインでどう行うの?という疑問を解消すべく、ポケットサポートの三好祐也さんと奥田修平さんにZOOMを使ってゲーム大会を実施していただきました。


ゲームの前のセッティングのポイント/NGゲーム おすすめゲーム/やってみました!/その他の工夫
の順で内容をご紹介します。



~ゲームの前のセッティングのポイント~

必須の設備 スピードテスト ベターな準備物

必須の設備

参加者に見せたいものがきれいにうつせているのかと、参加者が全員がうまく参加できているのかをチェックするために、最低2台ZOOMに繋ぐ必要があります。
ポケットサポートではパソコン1台、ipad1台で運用しています。

A:参加者に見せたいものがきれいにうつせているか確認するPC
ZOOM機能のスピーカービューにし、きちんとうつっているか、参加者にわかりやすいかを確認します。ZOOM機能のスポットライトを使えば、この画面を参加者が常に見られるようになります。

B:参加者全員がうまく参加できているのかをチェック用ipad
PCでもOKです。参加者の顔をうつしつつ、ZOOM機能のギャラリービュー設定にして参加者全員を確認できるようにします。三好さんの顔はこのiPadのカメラで撮影されます。

C:ゲームが行われている場所(ボードや主催者の手元)を映すカメラ
ここで撮影したものが、Aに流れるように設定しています。盤面や手元が見やすいように、アームなどを付けて上から撮影するのがよいです。スマホのカメラを使ってもできます。

音声にも注意してください。
パソコン側:ハウリング防止のためスピーカー、マイクをオフにしましょう。
iPad側:外付けのスピーカーフォンをBluetoothで接続して、音声がきれいに拾えて、参加者の声もよく聞こえるようにしています。

セッティング

スピードテスト

主催者の音声や映像をきれいに届けられないことは、参加者にとってはストレスです。ポケットサポートは家庭用ルーターではなく、業務用ルーターを使用していました。最低でもスピードテストで3桁出るものが用意できるとよいです。

ベターな準備物

ゲームマット
机にそのまま置くと、カードなどが取りにくいためマットがあるとやりやすいです。色は何でもいいですが、緑は目にやさしくカードなどが見やすいそうです。
もともと病院でゲーム等をするときに演出的にもよかったので使っているそうです。

~NGゲーム おすすめゲーム~

オンラインゲームやイベント実施時の注意点 オススメゲーム

オンラインゲームやイベント実施時の注意点

・リモートはカードをシャッフルして配布するゲーム(ババ抜き、ウノ)は、当然ですができません。
・スマホでの参加だと画面が小さいのでかなり難しいです。参加者にはPC、タブレットからの参加を推奨しています。
・参加者がよく見えるようにすることも大切です。カメラからの距離を確認して持ち上げてみせるなどの工夫が必要です。

オススメゲーム

・すごろくなどのボードゲーム
全員が参加して盤上でできます。
・クイズ
口頭や紙に書いて答えられるので、簡単に参加できます。

普段は、子ども1名と病棟の保育師さんなど付き添い2名くらいと三好さんに加えて、大学生ボランティア2~3名が自宅などからタブレットかPCで接続して入ります。だいたい5~6人で実施するそうです。

~やってみました!~

ゲーム:JUSTONE JUSTONE: 実践中のポイント ゲーム:ヒューゴ オバケと鬼ごっこ ヒューゴ:実践中のポイント1 ヒューゴ:実践中のポイント2

ゲーム:JUSTONE

みんなで協力して回答を導き出す連想ゲームの一種です。
・じゃんけんで回答者となった人がカメラに背を向けたらゲーム開始
・三好さん(親)が選んだカードの中から、回答者に当ててもらう言葉を選び、それを連想するヒントを残りの参加者が各自用意した手元の紙に記入します。
・せーので答えを出しますが、他の人と被っていたらそのヒントは回答者に見せられません。

ゲームの説明を真面目に聞く様子

1回目
   参加者のうち3人が「南半球」を書き、回答者はのこりの1枚のヒントしか見ることができません。それは「アボリジニ」
さて皆さんは何を連想しましすか?

後ろを向く回答者

答えは「オーストラリア」でした!なんと事務局多ヶ谷はこのヒントのみで正解を導き出しました!
※JUSTONE 1回目の映像

※一部のデバイスからは、ご覧いただけない場合があります。

※万一、画像から動画が視聴できない場合は、こちらのURLからお試しください。

JUSTONE1回目



2回目
「ハクション!!」「ラーメン」「粒(つぶ)」「調味料」
今度はヒントがばらけました。さてさて答えは?
「こしょう」と事務局青木が回答。当然正解です!

※JUSTONE2回目の映像
※一部のデバイスからは、ご覧いただけない場合があります。

※万一、画像から動画が視聴できない場合は、こちらのURLからお試しください。

JUSTONE2回目

JUSTONE:実践中のポイント

カードの中から言葉を選んだり、ヒントを考えたりする時間は、待っている参加者にはかなりつらいものです。無音の時間はとても長く感じられます。効果音や実況解説なども盛り上げとても大切だそうです。
この日も奥田さんが効果音を入れてくださいました。ネット上に無料で使える音源がありますので、別にスマホなどを用意しておくとよいですね。

ゲーム:ヒューゴ オバケと鬼ごっこ

ボード上で、鬼に捕まらないように逃げるゲームです。最後まで逃げ切った人が勝ちです。


・逃げる人(カラーチップ3つ)の色を決める
・順番に好きなマスに1つずつ人をおいていく
・サイコロをふってゲーム開始
→3か6がでたら、おばけ(ヒューゴ)が進む 
→3・6以外がでたら、プレイヤーが出た目の数動いて、おばけのヒューゴから逃げる!
・ただし、すでに人(カラーチップ)がいるコマには入れないので、場合によっては、全く動けないこともある
・おばけのヒューゴが動いたコマにあった人はすべてヒューゴに捕まり、真ん中の階段に並べられる
・これを繰り返して、最後まで残った人が勝ち!

※ヒューゴ映像

※一部のデバイスからは、ご覧いただけない場合があります。

※万一、画像から動画が視聴できない場合は、こちらのURLからお試しください。

ヒューゴ

ヒューゴ:実践中のポイント1

・付箋に名前を書き、同じ色のチップを置いて誰が何色か分かるようにします。参加者が自分で動かせず、主催者が全部動かすので、間違えを防ぐのに役立ちます。
・ボードの上に薄いマスキングテープをはって数字を書いています。参加者が動かしたいコマの番号を伝えやすいので、スムーズに進行できます。
・今誰の順番なのかがわかるように、名前を上にマークを置くという工夫もします。ポケットサポートマークを置いています!
・自動サイコロ振り機が活躍しています!三好さんのサイコロの振り方に偏りがあると、参加者からのクレームがあり(笑)、導入したそうです。(1,500円くらい)激しい音と動きでゲームを盛り上げてくれました。

参加者がわかりやすいように盤面を工夫
自動サイコロ振り機

ヒューゴ:実践中のポイント2

・ゲーム終了は子どもの年齢によって変えることもできます。
小さい子は、階段が全部人で埋まったら終わりとして、沢山捕まった人が負け。
中学生は、階段をマイナスと考えて、マイナス点が一番多い人が負け
・効果音も楽しくつけられます。おばけに食べられた音などを入れておくものよいです。

~その他の工夫~

イベントで実施しているコンテンツ 発言用グッズの事前作成 自己紹介の工夫

イベントで実施しているコンテンツ

・おうちにある物しりとり:全員で持ってきたものでスクショ撮ると盛り上がります!
・同じもの集めゲーム:例えば「学校にもっていくものは?」というお題で、同じものを持ってきたらポイント
ずっと画面見ているのも疲れるし、しかし動きすぎるのも疲れるので、適度に動きを取り入れながら行っているそうです。

発言用グッズの事前作成

・大人数の場合は、基本マイクはミュートで実施しますが、発言したいときや質問のときに挙げるための手元フリップを作ってもらいます。
・イベント前にA4の厚紙/割りばし/作り方の紙を発送し、各自で作ります。
・イベント当日だけではなくて、イベントまでの期間も作りながらワクワクして楽しい時間が続いていいというアンケートの声があったそうです。

自己紹介の工夫

・大人数のイベントは、最初が肝心です。自己紹介は聞こえにくいこともあるので、文字で情報補完できるようにします。
・イベント開催時期によってテーマを決めて、その内容を書いてもらうそうです。

あっという間に時間が過ぎました!オンラインでも子どもが楽しく参加し続けられる工夫がたくさんあることを、実際にゲームを行うことで実感いたしました。

三好さんの説明は本当にわかりやすく、すっとゲームに臨めました。また、奥田さんが「三好さんを俯瞰するカメラ」をセッティングしていただいたので、状況がよくわかりました。

三好さん、奥田さんありがとうございました!
オンラインで子どもたちと交流される皆様の参考になればと思います。

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