公益財団法人ベネッセこども基金

活動実績

【交流会開催報告】2023年度活動 重い病気を抱える子どもの学び支援活動助成

病気・障がいを抱える子どもの学び支援

当事者の子どもと共にこども家庭庁への訪問も実施!今年度の交流会を開催しました。

ベネッセこども基金の助成事業では、非資金的支援として、助成団体間の交流や相互の知見やノウハウ共有等のサポートにも取り組んでいます。その活動の一つとして、全助成団体参加型の交流会を毎年実施しています。

今年の交流会では、団体同士の情報交換に加えて、こども家庭庁を訪問し、当事者の声や、課題の現状を伝え、こども家庭庁、関係省庁との情報交換を行いました。台風により開催が危ぶまれましたが、全国からお集まりいただき、大変熱気あふれる会となりました。

交流会概要

開催日時
1日目:2023年9月8日(金)13:30~18:00
2日目:2023年9月9日(土)9:00~12:00
参加人数
・助成事業活動団体、自主事業活動団体、重い病気当事者、選考委員など18名
プログラム概要 1日目
●こども家庭庁との情報交換
「重い病気を抱える子どもの学びや育ちに関する課題について、支援が十分でないと感じる点や、力を入れていくべきテーマ」を5団体より発表。
●各団体による自己紹介および事業内容発表
●懇親会
プログラム概要 2日目
●こども×学び×重い病気の好事例共有
一般社団法人Orange Kids' Care Lab.
「Orange Kids' Care Lab.の紹介とスクールキッズケアラボの取り組み」 

認定NPO法人ポケットサポート
「病気療養児支援者全国ネットワークの取り組み」

●テーマ別ディスカッション
テーマ1:人&組織 ~限られた人材で大きな成果を出すために~
テーマ2:お金&広報 ~持続可能な事業継続のために~


交流会1日目第1部 こども家庭庁との情報交換

1日目前半は、こども家庭庁成育局成育環境課を訪問し、

・病気とともにある子どもの学校との連携不足
・長期療養を必要とする高校生の学びの継続の難しさ
・医療的ケア児等の地域の学校で受け入れる環境づくりの必要性
・地域で、保護者・きょうだい児を含めた共助公助の連携の必要性

などの医療・福祉・教育にまたがる諸課題について、団体の代表の方から自団体での先進的な取り組みに触れながら現状を具体的にお話しいただきました。長期療養を経験した高校生や、小学生とその保護者も参加くださり、当事者としての声を届けてくださいました。

またこども家庭庁様からは「こども家庭庁の設置とこども・子育て支援」についてお話しいただき、こども家庭庁の目指すもの、子ども視点・当事者視点、地方自治体との連携強化、NPOとの対話・連携・協働の基本姿勢、こども基本法のポイントをご説明いただきました。質疑応答タイムではこども家庭庁様からも当事者の子どもへ熱心なご質問を頂き、両者にとって有意義な時間となったと感じました。
また「こどもホスピス」の検討にかかる関係省庁連絡会議を例に、各省庁にまたがる課題について、こども家庭庁が関係省庁をつなぐ事務局を担っているという状況をご説明いただきました。今回の訪問も関係省庁に参加を呼び掛けてくださり、厚生労働省から8名オンラインにて傍聴いただきました。

交流会1日目第2部 各団体の活動を知り、課題を共有・検討

1日目後半では、各団体の事業内容の紹介、団体の特徴や工夫点と他団体に聞きたいことを発表。質疑応答では一般への周知の仕方、人材確保、スタッフ間コミュニケーション、こどもとの遊び学ぶおもしろいアイデアの集め方などのノウハウを共有しあいました。

交流会2日目 事例共有&テーマ別ディスカッション

2日目前半ではまず、Orange Kids' Care Lab.様の多様な取り組みをご紹介いただいた後、医療的ケア児の地域のこども園や小中高等学校への就園就学サポートについて、詳しくご紹介いただきました。
粘り強い丁寧な実践と「本人主語で話す」「前例は作るもの」という言葉に多くの方が力をもらったようでした。

またポケットサポート様からはベネッセこども基金との自主事業として進めている「病気療養児支援者全国ネットワーク」の構想をご提案いただきました。
「地域で病気療養児を支える、支援者の相談窓口が必要」「支援者同士が繋がることで地域内の支援の限界を少しでも解消できるのではないか」との仮説の本企画に、理解、賛同があり、一時の交流にとどまらない連携による今後の発展に期待が膨らむ時間でした。

2日目後半は、少人数のグループに分かれて、団体共通の課題である「人・組織」「お金・広報」について各団体の実践を紹介しあいました。
・具体的な悩みを相談することができた。
・インプットと新しいアイデアで頭がパンパン。
・早速チャレンジしてみたいことがたくさんあり、とても参考になった。
などのお声を頂きました。

2日目ディスカッションの様子 

事務局より、交流会を振り返って

今回の交流会では、こども家庭庁訪問やネットワークの提案、そして当事者の方の参加などを通して、共通目標や共通意識が生まれたという感想をいただいたことが印象的でした。
私たちベネッセこども基金も中間支援組織だからできることや役割を改めて認識する場となり、多くの学びと気づきを頂きました。また前例のない道を開拓し続ける団体の皆様への敬意の気持ちも新たにしました。 お忙しい中ご参加くださり、この機会を大変有意義な場にしてくださった、団体の皆様、ゲストの皆様、そしてこども家庭庁様に感謝申し上げます。

SNSでこの記事をシェアする

一覧に戻る