活動実績
【ベネッセこども基金MeetUp】ベネッセこども基金D&I賞 中高生による当事者研究発表

ベネッセこども基金は、「よりよい社会づくりにつながる学び支援」の一環として中高生による自分を対象とした研究助成「サイエンスキャッスル研究費 ベネッセこども基金D&I賞」を始めました。
(「サイエンスキャッスル研究費」は株式会社リバネスが運営する中高生向けの研究助成制度です。)
これは、マイノリティな環境や状況に置かれている中高生が自分にとっての理想を実現したり、課題を解決する方法について探究する「自分研究」の活動に対して、研究費とメンタリングで応援するプログラムです。
この賞の設置を通して、子どもやユースの課題を大人が解決するのではなく、子どもやユースが自分で解決していこうとする力や声を、応援したいと考えました。
中高生自身が、自分自身の個人的な課題だと思っていたことを研究・発信することで、周囲に理解者が増え、他者との違いを多様性(D:ダイバーシティ)として受け入れ(I:インクルージョン)社会の側が変わることをきっかけになればと思っています。
当事者研究の第一人者である東京大学 先端科学技術研究センター当事者研究分野 熊谷晋一郎先生をはじめ、東京大学の研究者の先生にメンターとして半年間研究プロセスをサポートいただきました。半年間の研究の過程と成果の発表会を下記の通り行いました。
研究発表実施概要
- 開催日時
- 2025年3月16日(日)14:00~15:30
- 研究対象分野
- 自分自身の特性やマイノリティ性に着目したあらゆる開発や研究
- 研究テーマ
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①自分の感じている世界を教育者・支援者に伝える 「感覚情報処理障害への合理的配慮
東広島市立磯松中学校3年 出口優人さん
②ABAを用いた自身のコミュニケーションの改善
川崎市立大師中学校2年 矢澤悠頼さん
③感情を理解できる、入院中の中高生に特化したお悩み相談AIサービスの開発
佼成学園高等学校2年 鈴木真理さん
研究発表をご覧になった方からの声
約300名の方にオンライン視聴のお申込みを頂きました。
●学校へ行きたくても行けない行っても音や人で疲れてしまう、、、そんな子たちがたくさんいます。どう表現して良いかわからないため、まずそこから困っている子もいます。今回の研究で、新しい概念が生まれたことに感謝します。コツコツと測定したり研究を続けてくれてありがとうございます。
●同じ状態にある方にとっての希望につながる研究になると思います。
●大人でも怖くて困っていることにまっすぐ向かい合った研究だと思いました。素敵な挑戦であり、嬉しく思いました。ありがとうございました。
●ご自身が「苦手」と感じたことを克服しようと踏み出した勇気に心から尊敬します。その上で有益な調査を実施し研究成果をだされたこと、とてもかっこいい!と思いました。
●自分と同じような辛い思いを他の人にしてもらいたくないという、とてもやさしい気持ちを感じました。
●ぜひ、製品化をお待ちしています。
事務局より、取り組みを振り返って
自分の困りごとに真摯に向き合う学生の姿に心打たれたコメントをたくさんいただきました。
当日は、「東京大学 先端科学技術 研究センター 当事者研究分野セミナー室」からオンライン配信。
配信後には、全国バラバラの地域で研究をしている登壇者・研究者の先生が一堂に会し、研究について語り合いました。
そこからは、新しい研究や製品につながりそうなアイデアやつながりも生まれていました。
来年度も、ベネッセこども基金D&I賞を引き続き実施する予定です。
中高生の学びの応援と、多様性理解の広がりの一助となれば幸いです。
~この取り組みを一緒に応援してくださる、企業・団体さん募集中です~