公益財団法人ベネッセこども基金

活動実績

【DE&I賞】 ~中高生による、自身の特性やマイノリティ性についての当事者研究発表~

よりよい社会づくりにつながる学び支援


ベネッセこども基金は、「よりよい社会づくりにつながる学び支援」の一環として株式会社リバネスと連携し、「サイエンスキャッスル研究費 DE&I賞」を実施しています。
このプログラムは、マイノリティな環境や状況にある中高生が、自身の特性や違和感を起点に探究する「自分研究(当事者研究)」を支援する取り組みです。こどもやユースの課題を、大人が解決するのではなく、こどもやユース自身が自らの声を発し、自分の力で向き合い、解決の糸口を見つけていく――。そんな学びと成長のプロセスを応援したいという想いから、2023年度にスタートしました。

一人ひとりが、自分の困りごと・自分自身の「人と違う」と感じてきた経験と向き合い、それを研究として発信していくことで、周囲に理解者が少しずつ増え、違いが多様性(D:ダイバーシティ)として受けとめられていく。DE&I賞は、そんな社会の変化のきっかけづくりを目指しています。

2025年度は第3回目として、5名の中高生が採択され、研究費の支給とメンタリングを通じて約半年間の伴走支援を行いました。また、熊谷晋一郎先生(東京大学 先端科学技術研究センター当事者研究分野)をはじめとする研究者の先生にご協力いただき、研究の過程と成果の発表会を開催しました。

◆実施概要

開催日時
2026年3月22日(日)14:00~15:30
型式:
オンライン開催
プログラム内容:
・DE&I賞の背景と狙い
・当事者研究分野とは
・研究発表
・修了証授与
研究対象分野
自分自身の特性やマイノリティ性に着目したあらゆる開発や研究
2025年度の研究テーマ

・「光と香りで"心を照らす花"の製作~4感で感じる癒やしの仕組とその可能性~」(高校2年生)

・SNS「病み垢」依存から「リスクを冒して会ったことのない人同士の集団で集まる」行動に至るまでの路線に乗った​中高生のとらえられ方はどうしたら変わるか(高校3年生)

・話し方の癖とギャップに基づく研究(中学2年生)

・個々人の「一文字を認識する向き」と「文章全体を読む方向」の関係を研究する(中学3年生)

・寄り添う補聴器づくり(高校2年生)

研究発表をご覧になった方からの声(一部抜粋)

本発表会には、教育関係者や支援者を中心に、多くの方々にご参加いただきました。
「どの研究も興味深く、非常に面白かったです。若者自身の視点で課題意識を知ること自体に大きな意義を感じました」
「社会実装を見据えた具体的な研究であると感じました」
「同じ困りごとを感じている人にとって、大きな支えるとなる研究だと思います」
「一般的な教育では得難い貴重な体験であり、より多くのこどもたちに広がってほしい取り組みです」

3年目を迎えてー学びを深め合う「アルムナイの会」ー

成果発表の翌日には、2023年度から2025年度までの採択者が初めて一堂に会する「アルムナイの会」を開催しました。会場は、野村不動産株式会社のご厚意により、BLUE FRONT SHIBAURAの共創スペースをお借りして実施しました。


当日は、全国各地で研究を続けてきた中高生たちが集まり、それぞれが自身の研究内容を紹介し合いながら、互いに問いを投げかけ、対話を深める活発な交流が生まれました。
「具体的にどうやって、記録をとって研究を進めていったの?」
「友達に自分の研究を説明した時、最初はどんな反応だった?」

研究テーマそのものだけでなく、研究をはじめた背景や試行錯誤のプロセスについても対話が広がり、参加者同士が互いの経験や支援に触れあう機会となりました。
また、過去の採択者たちも、採択当時から研究をさらに発展させ、新たな問いや視点を重ねながら歩みを続けています。DE&I賞での経験をきっかけに、自らの困りごとと向き合い続け、その声を社会に発信し続ける姿からは、それぞれの当事者研究が現在も広がり続けていることが感じられました。

研究テーマはそれぞれ異なっていても、自分の研究を語り合い、問い合い、学び合える仲間がいる――。
そんなつながりが、参加者一人ひとりの中に育まれていることを実感する場となりました。

事務局より

この3年間の取り組みを通して、私たちは、中高生が自分自身の困りごとに真摯に向き合い、それを研究として社会に発信していく姿を見つめてきました。一つひとつの「自分研究」が、誰か一人に届き、理解者が一人増えていく。その積み重ねが、社会を少しずつ変えていくきっかけになる――。私たちはその可能性を強く感じています。また、回を重ねる中で、採択者同士の横のつながりも生まれ、互いに学び合い、応援し合うコミュニティへと広がっています。
これからもベネッセこども基金は、多様な背景や特性をもつこども・ユーズが、自らの声で社会とつながり、その学びを未来へと広げていく歩みに寄り添いながら、活動を続けてまいります。

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