コラム
防犯 「不安だけど、安全...」、なんとなく安全社会。
安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第1回)
私は、「安全インストラクター」の肩書で仕事をしています。子どもたちから、地域の大人たちまで、幅広い世代にむけて「安全のコツ」「一般市民ができる防犯」を伝えています。
最近では全国から多くのご依頼をいただき、各地へ出張する機会も増えました。出張の際は、町並みを散策する、城跡や寺社を巡るなど、ご縁をいただいた地域の歴史や雰囲気に触れることを大切にしています。
さて、自治体などが主催する講演やセミナーで出会うみなさまは、「防犯や安全への関心が高い!」と感じます。すでに積極的な防犯活動などを行う、日ごろから地域や子どもたちの安全に意識を向けている方たちが参加することがほとんどのため、当たり前かもしれません。
一方、多くの人たちは、「犯罪は不安だけど、防犯には関心がない」が正直なところではないでしょうか。大手警備会社の調査によれば「約8割が犯罪へ不安を感じているが、約6割が防犯について未対策...」だそうです。その背景としては、おもにメディアの事件報道に触れて不安を感じるものの、日ごろの生活の中では危険を感じないことが多い「不安はあるけど、なんとなく安全」であるからだと思われます。
「安全」と「安心」にはズレが生じることがあるのです。
うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。
安全インストラクター
武田 信彦さん
犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。