コラム
防犯 「監視 or 見守り?」、防犯パトロールが目指すもの。
安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第2回)
事件や事故が発生すると、警察官が見守る通学路を登校する子どもたちの映像が流れることがあります。警察が警戒しているので「安全」ではあるものの、事件や事故によって地域の「安心」が壊されることで長期間にわたり不安感が残ります。
「安全」とは物理的なこと、「安心」とは一人ひとりが心で感じるものです。
ところで、一般市民による防犯活動が目指すものとは何でしょうか。私は、「警察や行政機関等と協働し、地域住民や子どもたちとともに安全意識を高めて犯罪被害を減らすことを目指し、安心感を広める活動」だと考えています。ですから、目を向ける先は、地域に暮らす人びとです(見守り)。
一方、「防犯」のイメージが先行し、「警察や行政機関等からお願いされて、犯罪に目を光らせ、行わせない活動」と捉えている人がいます。その場合、目を向ける先は、犯罪、不審者、危険な場所などです(監視)。
一般市民の範囲で安全に行うことができるものは「見守り」の範囲での取り組みです。なお、「見守り」の中でも、犯罪抑止に効果があるとされる自然発生的な監視の効果は生まれます。
子どもたちの安全や地域を守るために行われる防犯パトロールは、あいさつや声かけをとおして安全と安心両面に効果が期待できる活動です。
うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。
安全インストラクター
武田 信彦さん
犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。