公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

防犯 「防犯の協働」、継続のためのキーワード。

子どもの安心・安全を守る活動

 

安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第5回)

 

 最近、「協働」という言葉をよく耳にします。協働とは、立場の違う組織や人たちが、地域の課題解決などの目標にむけてパートナーシップを築き、取り組んでいくことです。防犯の分野でも、約10年前に「住民参加型の安全・安心なまちづくり全国展開」が打ち出され、各地の自治体に防犯活動を支援する部署が発足するなど、急速に協働が進みました

 

 行政と一般市民が協働する上で一番大切なことは、それぞれが「対等な立場」として協力していくことではないでしょうか。ときどき、防犯ボランティアへの参加のきっかけが「委嘱されたから」「お願いされたから」という方たちに出会います。行政が治安維持のための施策として推進している背景からすれば、ひとつのあり方だと思います。しかし、多くの団体が直面する、活動のマンネリ、メンバー不足、継続の難しさ...を見ていると、そこには、誰のための、何のための活動なのか...を見失っていることが垣間見えます。とある研修会で「いつまでやればいいんだよ!」と担当者に怒鳴っている防犯ボランティアの参加者がいました。地域の安全に欠かせない「防犯の協働」をもっと元気にするためには、それぞれの立場や、いま地域で求められていることなどを丁寧に確認することが必要だと感じています。

うさぎママのパトロール教室

うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター

武田 信彦さん

 

犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。

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