公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

防犯 「おはよう!」があふれる地域づくり

子どもの安心・安全を守る活動

 

安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第7回)

 

 子どもたちの安全を守るための「見守り」は、全国各地で行われています。「おはよう!」「気をつけてね!」、ボランティアで参加されるみなさまの多くが、子どもたちと元気にあいさつをしています。一方、「声がかけにくい...」「あいさつをしても、返事がない...」と悩んでいる方たちも少なからずいるのです。その背景には、「知らない人には気を付けろ」といった過剰ともいえる安全意識があるのかもしれません

 

 いわゆる「声かけ事案」と呼ばれるものは、犯罪行為の前兆と思われるような悪意ある言動のことを言いますが、「人から声をかけられる」ことに警戒感が広がることは、地域の見守り活動をやりにくくしてしまうことにもつながります。
 地域の中で子どもが育つ環境が残る日本の社会において、保護者や学校以外で大人と接することは、子どもたちがもつコミュニケーション能力を育む点からも重要です。とくに、子どもたちの安全を見守るボランティアの皆さまとは、ぜひ、元気にあいさつをしてほしいものです。あいさつを交わしやすくする一つのコツとしては、地域のみなさまが、学期の始めや学校で開催される防犯教室に参加し、子どもたちと顔合わせを行うことです。ユニフォームや腕章を身に着けた姿を紹介することで、「見守ってくれる人」として子どもたちに認知されやすくなります。

うさぎママのパトロール教室

うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター

武田 信彦さん

 

犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。

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