コラム
防犯 「なにかあったら、声かけてね」のひとこと
安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第8回)
先日、とある研修会で講師を務めました。おもに、夜間、徘徊やたむろをしている未成年者への見守り活動を行うみなさまを対象としたものです。非行防止がテーマとなりますが、一般市民による防犯活動は「見守り」の範囲となるため、あくまでも被害防止の観点での活動となります。見守りを行う中で、明らかな犯罪行為や犯罪被害の可能性があれば、すぐに警察へ通報もしくは連絡をして対応を委ねることがもとめられます。くれぐれも無理のない対応をすることが重要です。
ところで、未成年の人たちと接するとき、「何歳?」「どこの学校?」「早く帰れ!」など、頭ごなしに注意することは、居場所がない...と感じる彼らをさらに追い詰めることにもつながります。「声をかけて、逆ギレされるのが怖い...」という意見もありますが、そもそも叱りつけることが目的となれば危険を伴うのです。見守りで大切なことは、笑顔でのあいさつや会話、そして、「なにかあったら、声かけてね!」のひとことを伝えることです。
ちなみに、パトロール隊の姿を見ただけで「注意されるかも...」というメッセージは十分に伝わっています。そのことよりも、「心配している大人がいるよ」という姿を見せることが、万が一のとき助け合える環境をつくることにつながるのです。
うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。
安全インストラクター
武田 信彦さん
犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。