コラム
防犯 地域を見守る、青いパトカー
安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第9回)
世界各地、国ごとにパトカーのデザインもさまざまです。ヨーロッパでは、青色灯を装着していることが多く、青いライトが治安のシンボルです。さて、日本のパトカーといえば赤色灯ですが、青色灯のパトカーもあります。「青色防犯パトロール活動」、通称「青パト」と呼ばれる車を使った防犯活動です。平成16年から運用が始まり、認証された民間団体や自治体による青パトが全国で活躍しています。ボランティアの自家用車に青色灯を装着する、自治体でオリジナルの車両をデザインするなど、スタイルもさまざまです。
青パトの目的は、取り締まりではなく、見守りです。徒歩のパトロールに比べて、少人数で広範囲を移動できるメリットがあります。一方、あくまでも車両による活動のため、見守る対象である子どもたちや地域の人たちと物理的な隔たりが生じます。車両がゆえに、あいさつなど直接的なコミュニケーションがとりにくいのです。さらに、子どもたちは、交通安全や防犯の観点から「車には気をつける」と教わることが多く、心理的な隔たりもあります。そのことを理解した上で、安全運転はもちろんのこと、さらに優しい運転や対応を心がける必要があります。また、子どもたちや地域のみなさまに青パトの目的をしっかり伝えることも欠かせません。青いパトカーは、みんなを見守る頼れる存在なのです。
うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。
安全インストラクター
武田 信彦さん
犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。