コラム
防犯 子どもたちがもつ「安全力」を元気に!
安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第10回)
子どもたちを対象とした「安全セミナー」や「安全ワークショップ」など安全に関するプログラムを実施する中、年間をとおして、多くの子どもたちと出会います。当方が行う安全のプログラムは、子どもたちがもつ自分を守る力、すなわち「安全力」を引き出すことを目的に行っています。すでに身に付いている防犯知識や知恵、力はたくさんあります。さらに、それらが自分を守るためにどう役立つのかについて、クイズやゲームなどの体験をとおして、自ら考えて気づくことを目指しています。
ところで、子どもの力には限界があるため、まず始めに「ひとりにならない」ことの重要性を伝えます。そして、「ひとりになる」瞬間や場所についても確認します。ひとりになったら、自分を守るための「安全力」を発揮しなければいけません。危険を回避し、察知するための「予防力」。そして、危険や状況から逃げるための「対処力」。どちらも分かりやすいキーワードを使い、デモンストレーションや体験をとおして確認します。さらに、人との距離感や、誘いをしっかり断るための「できません!」の練習も行います。また、「助けてくれる人」の存在もしっかり伝え、地域のみなさまとのあいさつの大切さも同時に確認しています。防犯は、特殊能力ではなく、コミュニケーション能力の延長にあるものです。
うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。
安全インストラクター
武田 信彦さん
犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。