公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

防犯 子どもたちを守る、「3つの力」

子どもの安心・安全を守る活動

 

安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第11回)

 

 子どもの安全については、子ども、大人、地域、それぞれがもつ安全力を高めて連携することが重要だと考えています。「子どもの力」は、子ども自身がもつ身を守る力のこと。日ごろの生活の中で身に付けた力や知恵が、「予防力(よくみる、よくきく)」「対処力(にげる、つたえる)」として役立ちます。子どもを守り、安全力を育み、さらに知恵を鍛えるのが、保護者などの「大人の力」です。万が一のとき、「なにか変だな...」「おかしいな...」と危険を察知する感覚を身に付けるためには、大人による意識付けが欠かせません

 

 そして、「地域の力」も子どもの安全を守る大きな力です。学校や行政、警察はもちろん、スクールガードや防犯パトロールなどの地域住民による防犯活動です。「地域のつながりが希薄化している...」などと聞くこともありますが、子どもたちを見守る力は健在です。地域の力は、子どもや身近な大人の力だけでは安全確保に限界があるからこそ、欠かせないものなのです。子ども、大人、地域、それぞれが安全への意識を高めると同時に、3つの力がゆるやかに連携できると、さらに効果的です。たとえば、子どもたち対象の防犯セミナーに一緒に参加することがおすすめです。セミナーをとおして、子どもたちが身に着けている防犯ブザーの音を知ることなどは、お互いに守り合う環境づくりの第一歩と言えます

うさぎママのパトロール教室

うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター

武田 信彦さん

 

犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。

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