コラム
防犯 地域の連携は、助け合う環境づくり
安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第13回)
秋が深まると、ハロウィンの季節がやってきます。日本でもすっかり定着し、さらに、年々独自の進化を続けています。さて、地域の防犯にハロウィンを取り入れたプログラムも各地で開催されるようになりました。私が東京都内で関わっている「セーフティ・ハロウィン」は、かれこれ10年ちかく続く防犯イベントです。「子ども110番の家」を巡り、緊急時の駆け込み練習を行う、さらに、地域のみなさんと保護者、子どもたちとの顔合わせを兼ねた「防犯のための連携」を育むことを目的としたプログラムです。
いま、「地域のつながりが希薄化している」と言われることがあります。昔にくらべて、住民同士の顔合わせの機会やきっかけが減り、あいさつもしにくい雰囲気が広がりつつあります。一方、子どもたちの安全や防犯は、誰もが気になる共通のテーマです。その共通のテーマをとおして、顔合わせや連携が生み出されている地域が増えています。気軽にあいさつを交わし、見守り合える雰囲気づくりは、万が一のとき、お互いを助け合う環境づくりの基礎となります。また、それは、住みやすくて居心地のよい町につながることです。
新しいかたちで育まれる地域の連携は、子どもたちの安全や防犯のみならず、自殺予防や、孤立の解消などについても大きな力になるかもしれません。
※「セーフティ・ハロウィン」についてはこちら
うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。
安全インストラクター
武田 信彦さん
犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。