公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

防犯 身を守るための道具、「防犯ブザー」

子どもの安心・安全を守る活動

 

安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第15回)

 

 講演などでは、身を守る方法のひとつとして防犯ブザーを紹介しています。「小学生のものでしょ...」と思われがちですが、防犯を目的とした道具類で、誰もが堂々と身に着けることができる、ほぼ唯一のものです。すなわち、子どもたちのみならず、大人の防犯にも役立ちます。ちなみに、護身目的とした武器や凶器類の所持は法律で認められていません。刃物などは、所持するだけで犯罪になる場合があります。また、催涙スプレーやスタンガンについても、使用方法によってはリスクを負う可能性があるので、注意が必要です

 防犯ブザーの大きな音は、主に2つの効果が期待できます。ひとつは、「ピンチを知らせる効果」です。音に気付いて、誰かが助けてくれるかもしれません。そのためには、日ごろから防犯ブザーの音を地域の関係者で共有する、音がした方向へ意識を向けるなど、助け合いの環境づくりも欠かせません。さらに、「危険から逃げる効果」も期待できます。大きな音で相手を威嚇し、驚いている「隙(すき)」に全速力で逃げるのです。いざという時に備えるためには、すぐに手が届くところに身に着けておき、不安を感じたら、手に握ってスタンバイしておくことがおすすめです。また、防犯ブザー使用時は、投げ捨てる、落とすことも想定されるため、ブザー本体に名前や住所などの個人情報は書かないようにしましょう。

うさぎママのパトロール教室

うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター

武田 信彦さん

 

犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。

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