コラム
防犯 高校生と考える、「自分を守ること」とは
安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第16回)
高校生を対象とした安全セミナーのご依頼もいただきます。さまざまな知識や知恵を身に着けている高校生ですが、あらためて「自分を守ること」について考えます。とくに、危険を寄せ付けないための「予防力」の大切さについては、講義やワークショップでしつこいほど確認。予防力とは、まわりに意識を向けることですが、最近では、「歩きスマホ」と呼ばれるような「ながら」で歩くことがとても増えています。予防力が著しく低下するだけではなく、「自転車スマホ」などは、人の命にも関わる重大な事故も発生してしまいます。
「正当防衛でパンチとかもありですか?」。意外と関心があるテーマのようで、さまざまな質問を受けます。安全のためには何をやってもよい訳ではなく、「身を守ることと、暴力はちがう」ことを明確に説明しなければいけません。すなわち、ゲームや映画とはちがう現実世界では、「逃げるが勝ち」の考え方が重要なのです。本当の意味で自分を守ることとは、被害者にもならない、そして、加害者にもならないことです。実際に、攻撃性のない逃げるワザなどを練習すると、とても分かりやすいようで、多くの反応があります。
自分を守ることへの自信を高めることは、困っている誰かを助けるための力にもつながります。高校生への安全セミナーは、多くのメッセージを込めて行っています。
うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。
安全インストラクター
武田 信彦さん
犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。