コラム
防犯 「犯罪情報、どう活かす?」
安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第23回)
警察官が行う防犯講話では、「犯罪情勢」として地域で発生した犯罪の最新情報を知ることができます。
また、最近では、警察や自治体が犯罪発生情報をサイトで公開するようになりました。
では、見守りなど、一般市民が行う「防犯ボランティア」を行う上で、これらの犯罪情報はどのように活かすべきなのでしょうか。大事なことは、「防犯ボランティア」の活動は、警察が行う直接的な犯罪抑止活動とは異なり、犯罪が起きにくい雰囲気をつくり、地域住民に安全意識を広げる活動であると再確認しておくことです(コラム2参照)。
「防犯ボランティア」は、カラフルなユニフォームで街を歩き、子どもたちや地域住民にあいさつなどを行うことで、犯罪が起きにくい雰囲気を生み出していきます。
パトロールコースや見守りを行う場所を決める際は、
①子どもたちがよく使う通学路
②子どもだけになりやすい路地
③多くの人が利用する交差点
④公園のまわり ...など
パトロール隊の姿を見せることで、犯罪が起きにくくなるような場所を選ぶことがおすすめです。
犯罪発生情報なども活かすことができます。しかし、あくまでも"予防"の観点から、パトロールコースに組み込むことで、被害減少を目指してください。
気を付けてほしいのは、「悪い人を探す」などの目的で、青パトで張り込む、怪しいと感じた人に声かけする...などの行為はしてはいけません。「防犯ボランティア」として一般市民が行う防犯活動は、犯罪や非行と直接戦うものではありません。非常に大きな危険を伴います。先にお伝えしたように、犯罪が起きにくい雰囲気をつくり、地域住民に安全意識を広げる活動であるということを確認してください。
うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。
安全インストラクター
武田 信彦さん
犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。