公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

防犯 「防犯活動に関する疑問に答えます!」

子どもの安心・安全を守る活動

 

安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第24回)

 

講習会などを実施した際に、多くされた質問を公開します。防犯活動をする際にお役立てください。

  

【質問1】 放課後に青パト(防犯のパトロールカー)で防犯活動を行っています。とくに、ひとり歩きの子どもが心配で、雨が降っているときや、薄暗い時間帯などは、青パトで送ってあげたいと思います。問題ないでしょうか?

【答え】 青パトでの活動も地域の安全を支える重要なものですね。しかし、その活動範囲には「児童の送迎」は含まれていません。また、保護者の許可なく児童を車に乗せる行為は、場合によっては法律に触るリスクを伴います。心配な気持ちはありますが、人通りの少ない通学路を重点的にパトロールするなど、「見守り」の範囲で行うようにしてください。
※参照:【21】「子どもの見守り」の際に、注意すべきこと(こちら

  

【質問2】 地域で子どもたちの見守り活動を続けています。子どもたちは元気にあいさつしてくれるのですが、保護者のみなさんがあいさつをしてくれません...。せっかく活動を続けているのに、ちょっと寂しい気持ちになります。保護者のみなさんと連携するためのコツはありますか?

【答え】 元気なあいさつは、お互いを助け合う環境づくりの基本ですね。子どもの安全のために活動しているのに、保護者からのあいさつがないのは寂しいことです。もしかすると、保護者の中には地域での防犯活動を知らない人もいるのかもしれません。新入学、新学期などのタイミングで、学校をとおして地域での防犯活動を知っていただく機会を設けることをおすすめします。PTA等との連携もしやすくなると思いますよ。

  

【質問3】 防犯ボランティアは、見守りの範囲で行うと分かりました。でも、万が一、事故や事件に遭遇した場合は、どうしたらよいのでしょうか。身を守るための特別な道具も持ち歩けないので、心配しています。

【答え】 あくまでも見守りの範囲とはいえ、地域で活動している際に危険な場面と遭遇することもあるかもしれません。またそんなとき、なんとかできないかと、行動を起こしたいと思うかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、一番大切なことは、自分(たち)の安全をしっかり確保すること。そして、すみやかに通報することです。その際は、現在地や発生時間などをなるべく正確に伝えましょう。慌てると意外と難しいものです。日ごろから、通報を想定して、携帯電話を持ち歩く、現在地の特定方法を確認するなど、備えておくことをおすすめします。

うさぎママのパトロール教室

うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター

武田 信彦さん

 

犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。

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