公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

防犯 「子どもの安全、みんなで取り組む」

子どもの安心・安全を守る活動

 

安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第26回)

 

 2018年は、重大な事件や事故、自然災害が相次いで発生し、安全に対する意識があらためて高まった一年でした。とくに子どもの安全については、「登下校防犯プラン」に基づき、全国で通学路の点検などの安全対策が推進されています。一方、現場では「どのように取り組めばよいのか...」といった手詰まり感にも似た雰囲気も漂います。

  

ますます子どもだけの状況になりやすい環境の中で、犯罪被害をいかに防いでいけばよいでしょう。子どもたちや保護者の防犯意識の向上のみならず、警察、自治体、学校、事業者、地域住民にできることとはなんでしょうか。

  

 「子どもの安全、みんなで取り組む」がますます重要です。

  

子どもや保護者の力だけでは限界があるからです。最近、私への講師依頼で増えてきているものがあります。それは、「全世代参加型の防犯講座」です。今までは、子どもの防犯セミナー、保護者むけの防犯講座、そして、地域のみなさんや防犯ボランティア対象の防犯研修会など、世代ごとの企画がほとんどでした。しかし、子どもの安全は、全世代共通のテーマ。ならば、「みんなで集まって、同時に意識を高めよう!」というアプローチです。親子での参加が可能だと、保護者だけ子だけより、参加率が高まる効果もあります。防犯のコツを確認するだけでなく、地域でどんな取り組みをしているかや、地域にいる防犯ボランティアがどういった存在なのかを知ることができて、一石二鳥です。

  

また、子どもたちへの防犯意識の向上には、日常的に伝えることが大切です。防犯は、日々の生活で必要なことなのに、つい忘れてしまうことがあるからです。私が監修を務めた「子どもの安全・安心ハンドブック」、さらに「子どもの安全教室実施プログラム」をおすすめします。どちらも無償で使用できますので、ぜひご活用ください。

◆「子どもの安全・安心ハンドブック」こちらをご覧ください。

◆「子どもの安全教室実施プログラム」こちらをご覧ください。

うさぎママのパトロール教室

うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター

武田 信彦さん

 

犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。

SNSでこの記事をシェアする

一覧に戻る