コラム
防犯 警察への通報と相談
専門家コラム:防犯編VOL.48
担当:安全インストラクター武田信彦
ためらわずに通報しましょう
地域の見守りや日々の生活をする中で、事件や事故、あるいはそれらにつながりそうなできごとに遭遇したら、私たちはどうすればよいのでしょうか。万が一犯罪や事故と遭遇・目撃したときや、自分や身近な人が危険を感じたときには、すぐに110番通報をしましょう。場合によっては通報してよいのか迷うこともあるかもしれませんが、警察官によって判断・対応されることなので、まずはためらわずに通報することが重要です。
110番通報をしたら、「いつ、どこで、何が」起きたかを伝えましょう。伝え方のポイントは以下のとおりです。
■状況:事件か事故か。関わった人やものの特徴など(人や車の特徴、逃げた方向など)、今の状況について(けが人の有無など)
■時間:いつ発生したのか(何分ぐらい前か)
■場所:どこで発生したのか(住所)
とくに発生場所を正確に伝えることがポイントです。住所、駅のホーム番号、目印になる施設など、場所の特定に役立つ情報を伝えることで、警察官の到着を少しでも早めることにつながります。なお、街頭であれば、電柱や交通標識に掲示されている「管理番号」を伝えると現在地の特定に役立ちます。
気になることは相談しましょう
一方、110番通報するほどではないけれど、犯罪や事故に関して心配なことや不安なことがある場合は、警察へ相談することができます。
おもに以下のような方法があります。
■「警察相談ダイヤル #9110」に電話する
※受付時間:平日 午前8時30分~午後5時15分 (各都道府県警察本部で異なります。)
※ダイヤル回線や一部のIP電話からはご利用できません。
■最寄りの交番や警察署へ電話や訪問をして相談する
ちなみに、「車から声をかけられた」「写真を撮られそうになった」「後ろをついてくる人がいた」...など、防犯上の不安を感じる行為は「前兆事案」と呼ばれるようになりました。たとえ事件化していない段階でも、犯罪の予兆的な行為に対して警察が対応することが増えています。
犯罪被害の発生や重大化を防ぐためには、警察への連絡や相談などの「情報」が不可欠となります。家庭や学校、地域などで、心配なことや不安なことが発生した場合は、そのままにせず、すぐに警察へ相談しておくことをおすすめします。
安全インストラクター
武田 信彦 さん
犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。