公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

ネット 保護者のスマホを子どもに使わせる際に気をつけること

子どもの安心・安全を守る活動

専門家コラム:ネット編VOL.8 担当:松田玲子


保護者のスマホは大人仕様

「動画見せて」「ゲームさせて」という子どもからのリクエストに保護者が使用しているスマホをそのまま貸し与えていませんか?
保護者のスマホを子どもに使わせたことによるトラブルが年々増えています。

保護者のスマホは当然大人仕様になっていますので、アニメ動画を見せていたはずが
「いつの間にか子どもには見せたくない動画に変わっていた」
「無料のゲームをさせていたのに、月末に身に覚えのない高額な請求が来た」
という声もきかれます。



「デジタル」と「アナログ」の二段構えでスマホ時代の子育てを

こんなトラブルを回避するために、「デジタル」と「アナログ」の二段構えで対応することが大切です。

まずは、「デジタル」の機能を活用した回避方法をご紹介します。

保護者のスマホを子どもに使わせる可能性がある場合は、フィルタリングなどの設定が必要です。
スマホだけでなく自宅にあるタブレット・パソコン・ゲーム機など子どもも利用する可能性がある端末にはフィルタリング・機能制限・ロックなどシステム的な対策を講じておくことが必要です。
やり方がわからない場合は、販売店やサポート窓口に相談してください。またネットで検索すると詳しい情報が出ています。



「デジタル編」:フィルタリング方法が進化!子どもに渡す前にフィルタリング設定が可能!

今のフィルタリングなどの設定は、簡単な操作でオン、オフ の切り替えが出来るようになっています。
普段は「オフ」にしておき子どもに使わせる時だけ「オン」にする、または子どもが勝手に使ってしまう可能性がある場合は、自分が使用する時に「 オフ 」にするという少しの手間で子どもを危険な情報から遠ざけることが出来ます。



「デジタル編」:スマホでのクレジット決済があとあと。。クレジットカード情報の取扱いにも注意を

また最近のスマホには一度クレジットカードで決済をすると、そのカード情報を保存する機能があります。
子どもがスマホでゲームをしている時に、一度だけ課金を許可してクレジットカードで決済をしたところ、スマホにクレジットカード情報が保存されていて、その後子どもが勝手に課金を繰り返し、知らないうちに高額な請求が発生したという相談が各地の消費生活センターに寄せられています。

子どもはゲームの仕組みも分からず、お金を使っているという実感もないため、アイテム欲しさに課金を繰り返してしまいます。
子どもの遊んでいるゲームが本当に無料のままなのか、有料になっていれば何にお金が必要なのかを確認しましょう。
また、クレジットカードの管理をしっかり行い、子どもだけで課金できない設定にしましょう。



「アナログ編」:より良い使い方について子どもと話し合いを!例えば課金についてなら。。

そしてその上でここからはアナログな取り組みです。
例えば課金について一方的に禁止するのではなく、なぜ課金がしたいのか尋ねてみて下さい。
子どもはきっと課金を許可してもらいたいから一生懸命話してくれるでしょう。子どもにとって人に自分の思っていることを話すという体験はとても大切だと思います。
親の考えも伝えてください。そしてしばらくは禁止にするのか、課金がしたい都度に許可をもらうのか、など選択肢は色々だと思います。
例えばお小遣いの範囲内なら許可をするとしてみましょう。
そしてお小遣い全部を課金してしまって、おやつも買えないなどの失敗体験をすることで子ども自身にも気付きがあるでしょう。
まずは試してみてそれが不都合であれば、また話し合って変えて行けば良いのです。



「アナログ編」:正解よりもプロセスを大切に!

何が正解なのかは子どもによって違います。
そしてこのような関わり方の繰り返しが子どもにとって『より良い使い方』を身につけていくために必要なプロセスの一つだと思います。 子どもがどんなゲームが好きでどんな動画を面白いと思うのか、そんなことにも興味を持って、時には一緒に体験してみてはいかがでしょうか。
「○〇は危ない」「〇〇はダメ」だけでは不満がたまり、親に隠れてしてしまうかもしれません。
子どもの意見も聞きながら、守りやすい『我が家のより良いルール』をつくってみましょう。



京都府警察ネット安心アドバイザー、京都市情報モラル市民インストラクター/京都市私立幼稚園PTA連合会OB会はのんの会幹事

松田玲子さん

子育てやPTA活動の経験を基に子どもを健やかに育むための取組を企画・運営している。平成20年よりインターネットの危険性や情報モラルについての啓発活動も行っている。

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