公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

ネット お父さんの立場から一言! 子どもにスマホを貸すとき、一緒に使う大切さ

子どもの安心・安全を守る活動

専門家コラム:ネット編VOL.9 担当:三井俊和


子どもにスマホをそのまま渡すの、ちょっと待って...

「動画が見たい」「ゲームがしたい」と言われておうちの方が普段使っているスマホを子どもに渡して見せたりゲームしたりしていませんか?
そのスマホ「大人仕様のスマートフォン」ということはご存じでしょうか?



1.サジェストが大人仕様

普段、おうちの方が使っているスマホ。
もちろん、検索で使ったり、動画を見たりしていると思います。

実は、検索エンジンや、各動画サービス側からユーザー(見ている人それぞれ)に対して、「この人は、こういった内容を求めているだろうな」というのを表示してくれる機能があります。この機能のことを『サジェスト』といいます。

普段使っている大人が使用する上では、趣味嗜好をよく理解してくれていて、自分が検索で探したいコンテンツに最短距離で導いてくれる大変便利な機能ですが、子どもが大人仕様のスマホを使うときには注意が必要です。

子どもにスマホを渡して使用させていると、大人仕様の動画や広告が表示されるケースもあり、子どもにとってよくないものも出てくる可能性があります。



2.文字の変換学習機能

文字変換にも学習機能が付いているということをご存じですか?

今までどのような文字変換をしてきたのか?
よく使う単語はどれなのか?
といったことを、スマホが学習し蓄積しています。

大人用のスマホを子どもに貸して使用する場合、変換予測で思いも寄らないことが子どもに知られてしまったり、子どもがショックを受けるような言葉が出てきたりするかもしれません。



3.子どもは探究心旺盛

普段仕事でも使っているスマホを子どもに貸してしまうと、連絡ツールなどを間違えて開いてしまいメッセージを送られてしまう可能性もあります。

送信先が身内であれば笑い話ですむかもしれません。
それが、会社の人だったり、取引先だったりした場合はどうでしょう?おうちの方自身の信用問題に関わってくる場合も出てきます。



使う場合は...

意外と知られていない、フィルタリングや機能制限以外でのお話をしてきました。

では、子どもにスマホを貸すことになった場合、どんな点に気をつけていけば良いのでしょう?

『使用するときは大人と一緒に使う』
ブラウザのプライベートモードや、予測変換の機能をOFFにするなど色々な方法がありますが、大人仕様のスマホは、何が突然出てくるか分かりません。
確実に安全に使うには「一緒に使用する」これが一番大事なことになります。

コロナ禍で外遊びが難しくなっていて、どうしても大人のスマホを貸してしまいがちですが、使わせるときには貸しっぱなしにするのではなくて、一緒に使うということも忘れないでください。



ちなみに、我が家では...

YouTubeやゲームに興味津々な年代の子どもが居ますが、しっかりとルールを決めて使うを習慣づけています。

◆決めたルール
 ・見る時とゲームするときはおうちの人と一緒
 ・自分では操作をしない(おうちの人が操作をする)
 ・1日1時間まで

このルールに基づいて、YouTubeやゲームを楽しんでいます。
当初はたまに自分で操作をしようとしていましたが、その都度しっかりとコミュニケーションを取ることで、今のルールがしっかりと定着したようです。

これも、年齢に応じて見直しをしていこうとは思っていますが、今の我が子にとってはこの方式がベストなようです。

一般社団法人関西ICT協会・理事、京都府警察ネット安心アドバイザー、近畿総合通信局e-ネットキャラバンplus認定講師

三井 俊和さん

2010年よりインターネットの危険性などの情報モラル啓発活動に関わり、現在では企業のSNS活用などの企業向け活用講演なども実施。1児の父として父親視点から、わかりやすく現状と対策を解説している。

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