コラム
新しい季節、通学路の防犯対策を
専門家コラム:防犯編VOL.53
担当:安全インストラクター武田信彦
子どもと一緒に考える、通学路の防犯 新1年生向けの安全教育リーフレット
子どもと一緒に考える、通学路の防犯
新年度もスタートし、小学校では新1年生たちが元気に入学してきたことと思います。
ぜひ、健康で安全な学校生活を送ってほしいものです。そのために今この時期にご家庭でやっていただきたいのが、通学路の防犯対策です。子どもにとって危険になりがちな状況や時間帯など気をつけるべきポイントを知り、いざというときの対策、防犯ブザーの有効な活用法など確認しておきましょう。私が取材を受けた3本の記事がベネッセ教育情報サイトに掲載されています。ぜひ参考にしていただければと思います。
■「通学路の安全対策は大丈夫? 知っておくべき子どもの被害が多い4つの場所と、防犯のポイント」
■「習い事や塾、学童保育の帰り道が暗い...子どもが夜道を歩く時に注意すべきこと」
■「小学生の防犯ブザー選びに重要な4つのポイントとおすすめ商品を紹介!」
防犯対策には、「これだけやれば、大丈夫!」といったものがありません。特に子どもの力には限界があるため、身近な大人の付き添いや、地域全体での見守りと助け合いが欠かせないのです。子どもだけで行動する状況やタイミングをあらかじめ想定し、自分の身を守る意識や習慣をつけられるよう、くり返し伝えていきましょう。
新1年生向けの安全教育リーフレット
さて、全国の新1年生が手にする安全教育のリーフレットがあります。文部科学省が発行する「たいせつないのちとあんぜん」です。このたび防犯面の改訂にあたり、文部科学省からの依頼を受けて助言を務めました。
このリーフレットは、防犯、防災、交通安全の観点で、子どもたちに伝えたい大切なポイントがクイズとイラストでわかりやすくまとめられたものです。子どもだけで行動する機会が多い日本では、とくに小学1年生から行動範囲が広がる傾向があるため、さまざまなリスクを想定し、「自分の命を守る」ことがもとめられます。
暖かい季節になると、水辺での事故も心配です。また自転車での事故においては、被害者のみならず、加害者になるリスクも生じてしまいます。生活の中でのリスクを少しでも減らすためには、それぞれの地域特性や生活パターンに合わせた安全・防犯対策を考えることが大切です。
子どもたちが安全に暮らす環境づくりは大人の責任ですが、子どもたちとともに考え、対策を実践することで事故や被害に遭うリスクを減らす努力を続けることが重要だといえるでしょう。
なお、「たいせつないのちとあんぜん」は、文部科学省のサイトで公開されています(→こちら★)。ぜひ一度ご覧いただき、安全意識を高めていただければと思います。
安全インストラクター
武田 信彦 さん
犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。