公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

ネット ゲーム時間をごほうびにするのってあり? 生活リズムを整える工夫について考える

子どもの安心・安全を守る活動

専門家コラム:ネット編VOL.33 担当:松田 直子

子どものスマホやゲームの長時間利用に悩むご家庭は少なくありません。
家庭でのルール決めや利用時間の制限機能といった対策の認知もあがってきてはおりますが、今回は実際にスマホやゲーム時間について工夫されているご家庭の取り組みをご紹介します。

お手伝いのごほうびに「ゲーム時間」

昔はお手伝いをしたらごほうびに10円などのお小遣いをもらったりしたものですが、今ではそれが「ゲーム時間10分にしています」というお話を耳にします。「時代は変わったものだなぁ」と思いましたが、そのご家庭ではたくさんお手伝いをしてくれるようになり、ゲーム時間へのストレスが親子ともに減った、とのことでした。

ゲーム時間を貯金(?)する

またゲーム時間を「1日〇時間」と決めるのではなく、1週間単位で考え、平日我慢して貯金(?)をしてその分を週末に一気に楽しんでいます、というお話もありました。
単純にルールを守らせるということではなく、時間管理の練習にもなりますね。

生活リズムが整ったけれど・・・

さて、ゲームに振り回され、すっかり生活リズムが乱れてしまった子に「やるべきことをやってから方式」を採用したところ見事にハマり、生活習慣が劇的に整った、というお母さんのお話を聞く機会がありました。
けれどお母さんはどこか浮かない表情です。なぜかというと「この子はゲームというごほうびがなかったら、日常生活をきちんとおくれないのではないか」と心配していらっしゃるのです。

親が子どもの心配をするのは当たり前のことですが、今回のご心配、よくよく考えてみれば大人になる途中の良い練習になっているのではないかと思うのです。

報酬を得るためにはやらなければならないことがある

大人になれば仕事をして対価を得て生活するようになります。仕事が楽しくて仕方がなければ幸せなことですが、報酬を得るために好きではない仕事を毎日こなしている人もいることでしょう。
「報酬を手に入れるために(生きていくために)は、働かなければならない」というごく当たり前の社会のルールを学ぶ機会になっていると考えれば「やるべきことをやってから方式」も悪くないと思います。

「やるべきこと」はなに?

そのかわり、このルールの場合「やるべきこと」はできるだけ具体的に話し合っておく必要があります。
宿題?食事?お風呂?明日の準備?家事の役割?睡眠時間の確保?・・・それらが具体的に共有されていないと「やった・やらない」で、親子喧嘩の元になってしまうこともあるので要注意です。ここが成功のカギですね。。

スマホ時代の子育てで大切なこと

ゲームやスマホ(ネット)が当たり前にある環境において、子どもの生活リズムを守ることはこれまで以上に子育の大きな要素となりました。
子どもの性格や状況によって、どんな方法が効果的かはそれぞれです。できるだけたくさんの方法(情報)を集めて、その中から我が子に合いそうなもの選択して試してみてはいかがでしょう。

スマホがある時代の子育て、がんばってください!



NPO法人イーランチ

NPO法人イーランチ 理事長
静岡県ネット安全・安心協議会委員

松田直子さん

NPO法人イーランチは、地域の情報化支援と女性の社会参加の応援を目的に、2003年4月静岡県焼津市において設立。主な活動は、母親目線を大切にする「インターネット安全教室」、子どもたちのネット利用の見守り活動「学校ネットパトロール」など。内閣府作成リーフレット「スマホ時代の子育て」監修や東京都私立幼稚園連合会「都私幼連だより3月号」「赤ちゃんとママ」「月刊ファミリス」他、多数執筆。

内閣府作成リーフレット

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