コラム
ネット わが子のオンラインゲームの受け止め方
専門家コラム:ネット編VOL.34 担当:高橋 大洋
子どものゲームについて悩む保護者はあなただけではない
「うちの子にはまだ早いのでは」「ゲームのせいで口汚くなった」「寝る時間が遅くなってきた」など、オンラインゲームは、全国の保護者に共通の悩みです。
「子どもが好きなゲームは暴力的で見ていられない」とか「そもそもゲームの面白さが分からない」という話も珍しくありません。
ゲームに夢中なのはうちの子だけではない
ゲームは今の子どもたちにはとても身近なもの。2021年度の文部科学省の調査※1によれば、「平日に全くゲームをしない」子どもの割合は、小6・中3ともに7.4%にすぎません。2010年度の同調査では、小6は17.8%、中3は28.5%ですから、その変化の早さには驚かされます。
ゲームについてもう少し詳しく知ろう
同じ"スポーツ"でも、サッカー、野球、マラソンなど種目ごとに楽しみ方が異なることを、大人はよく知っています。ところが"ゲーム"だと、ジャンルを問わず一緒くたにしがち。わが子に真剣に向き合うなら、もう少し詳しく知る必要があります。
まずは、好きな/やってみたいゲームの名前を、子どもから教えてもらいましょう。名前が分かればその推奨年齢は、ネット検索ですぐ見つかります。
専用機向けにはCERO A〜Dなどの年齢区分があります。スマホ用ではアプリストア上で確認できます。
YouTubeで「(ゲーム名) 実況動画」と検索すれば、実際のプレイも把握できます。
保護者にできること
最近のゲームは展開が速く、情報量も多くて、ふつうの大人が子どもとプレイするには敷居が高い。それでも、いったんゲームを認めた以上は、文句を言うばかりでなく、子どもの「好き」「楽しい」を受け止めることを最初の目標にしましょう。
本来、子どもは自分の活躍を親に見てもらいたいもの。それはゲームでも同じです。ゲームごとのあらましを知った上で、プレイをよく観察してみましょう。
わが子が大切にしていることが、友だちとのコミュニケーションなのか、レベル上げなのか、勝利なのか、探究・発見なのかが分かるだけで、声のかけ方も自然と変わってきます。
ゲームにつきものの三つのリスク要因「表現(暴力的など)」「時間」「課金」のうち、適切な対応がもっとも難しいのは「時間(使いすぎ)」です。
約束(ルール)は守れないのが当たり前と考え、うまくやめられたらホメるなど、保護者は「お終いの練習」を支えることに徹しましょう
無駄なモメごとを減らせる技術的な対応
家庭のルールを守るのに頼りになるのが、ゲーム機やスマホに備わる「みまもり」や「スクリーンタイム」と呼ばれる機能制限のしくみ※2です。
許可なくアプリ(ゲーム)をインストールしない、夜○時〜朝○時までは機器を使わないなど、親子で決めたルールに合わせて設定しておけば、機器が間違いなくいつもその通り実行してくれます。子どもの側も、保護者に口うるさく言われるより諦めがつきやすいものです。
保護者が「大好きなゲームの邪魔をする存在」にならないために、技術的な対応の活用をおすすめします。
※1 全国学力・学習状況調査「報告書調査結果資料」令和3年度及び平成22年度(小学校・中学校報告書 質問紙調査の結果)
※2 主要各社が提供する主な機能制限
保護者のみなさまへ任天堂からのお願い
PlayStation®5のペアレンタルコントロールを設定する方法
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Microsoft ファミリー セーフティ
高橋 大洋さん
フィルタリング開発会社での勤務をきっかけに、「ネットとのつきあいかたをオトナにも分かりやすく」に取り組む。子どもとネットについての調査・研究や教材開発、指導者養成の他、保護者・教員向け研修講師としても活動。著書(共著)『学生のためのSNS活用の技術』(講談社)。子どもたちのインターネット利用について考える研究会 事務局、一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA) 事務局、ポールトゥウィン株式会社 契約パートナー、小樽商科大学・帯広畜産大学・北見工業大学 非常勤講師。札幌市在住、子どもは16歳と13歳。