公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

防犯 今すぐ活用できるコンテンツで、夏の防犯を

子どもの安心・安全を守る活動

専門家コラム:防犯編VOL.80
担当:安全インストラクター 武田信彦



夏防犯の大切さや、夏の防犯のポイントを発信しています

 今年はとても暑い夏となりました。各地の花火大会もにぎわっているようですが、熱中症にはくれぐれも注意が必要ですね。さて、7月5日にフジテレビ系列で「ホンマでっか!?TV」が放送されました。「夏の危険な落とし穴」をテーマに各分野の専門家が注意点や対策を伝授。私は、子どもの防犯対策についてポイントを解説しました。全国的にも人気のバラエティ番組で防犯について伝える機会をいただき、私自身にも貴重な経験となりました。

 また、夏休みの防犯対策については、西日本新聞や長崎新聞でも私の記事が掲載されました。そして、朝日新聞では 「夏休みの子どもの防犯対策 『だるまさんがころんだ!』のリズムで」 のタイトルで記事が配信されています。

 さて、夏休みの期間中は、各地の教育委員会が開催する教員の皆様対象の研修会が多いシーズンでもあります。学校と地域との連携・協働による通学路の防犯対策、児童・生徒の防犯力を高めるための指導のコツについて、講演画像と配布資料を用いてお話ししています。配布資料については、コラムをご覧いただいている皆様も活用できるものなので、以下ご紹介いたします。


防犯に関する各種コンテンツを活用しましょう

 防犯のポイントについて学べるコンテンツには、ウェブサイトから無料でダウンロードできるものがあります。文部科学省や警察庁が発行している資料を活用し、ご家庭でお子さんといっしょに確認したり、防犯ボランティアの皆様で改めて読み合わせをしたりするとよいでしょう。


  • 「クイズでまなぼう!たいせつないのちとあんぜん」(文部科学省)
  • 文部科学省が発行し、全国すべての小学校新1年生へ配布されるリーフレットです。防犯、交通安全、防災についてのポイントが、わかりやすいイラストとクイズでまとめられています。私は、防犯面の改訂にあたり助言を務めています。特に「たいせつないのち」と表現されていることがすばらしいと思います。防犯=犯罪や悪い人...といったイメージが付きまとう中で、防犯=大切ないのちを守ること...という重要な視点を忘れてはいけないからです。なお、リンク先から印刷して活用することができます。小学校はもちろんのこと、幼稚園や保育園などでも活用いただき、小学校入学前の段階から安全に関する知識に触れておくことをおすすめします。


  • 「やってみよう!登下校見守り活動ハンドブック」(文部科学省)
  • 令和3年12月に公開された、防犯活動の推進を目的としたハンドブックです。全22ページに渡り、学校を中心として地域の連携と協働による防犯対策の進め方やコツがわかりやすくまとめられています。文部科学省では、これまでも「スクール・ガード」などの学校・通学路の安全確保の取り組みを推進してきましたが、あらためて防犯ボランティア等の「地域の力」の必要性を明示したことは、子どもたちの見守り等に取り組むみなさんにとっても励みになるものです。私は、調査の段階とハンドブックの制作時に助言を務めました。このハンドブックは、防犯の視点がベースではあるものの、交通安全や防災の視点も含まれている点が印象的です。ぜひご一読ください。


  • 「犯罪被害等防止マニュアル」(警察庁)
  • 令和2年7月に公開された防犯啓発のリーフレットと動画です。「子どもの安全編」「女性の安全編」「防犯ボランティア推進編」の3部作で構成されています。リーフレットは全6ページで、イラストを用いてわかりやすくまとめられています。動画は、全編30分と要約10分の2パターンが制作されました。リーフレットと動画制作にあたり、私も助言を務めています。表紙のタイトルをはじめ、内容にも市民防犯の視点が多く盛り込まれています。家庭や学校をはじめ、地域で防犯活動に取り組む皆様にとって役立つ内容がまとめられています。ぜひご覧ください。


  • 「子どもの安全・安心ハンドブック」(ベネッセこども基金)
  • 公益財団法人ベネッセこども基金が発行するハンドブックで、児童と保護者、先生や地域の皆様に活用いただける内容になっています。私は執筆と監修を務めており、市民防犯の視点からポイントをまとめています。すでに多くの小学校で活用いただいていますが、幼稚園や保育園での利用もおすすめです。子どもが防犯について学ぶ安全教室等を実施できる「子どもの『安全教室』実施プログラム」もご活用いただけます。
    教室や体育館等で防犯セミナーが実施できるパッケージです。子どもたちの防犯力向上のためにぜひ活用ください。


     また、今年度から文部科学省の「生命(いのち)の安全教育」も本格的に始まりました。性犯罪・性暴力の被害者、加害者にならないための安全教育です。内容的に重なる部分もあるので、あわせてご覧いただくことをおすすめいたします。

     こうした資料や教材をうまく活用しながら、防犯力を高めていきましょう。

    うさぎママのパトロール教室

    うさぎママのパトロール教室主宰
    安全インストラクター

    武田 信彦 さん

    犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
    著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。



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