助成団体紹介
【平成30年7月豪雨助成先訪問】特定非営利活動法人鍼灸地域支援ネット理事長日比泰広さんにお話を伺いました!
特定非営利活動法人鍼灸地域支援ネット
理事長 日比泰広様
特定非営利活動法人鍼灸地域支援ネットは、「熊本地震緊急助成」「平成30年7月豪雨助成」と、2回にわたってベネッセこども基金の助成で活動をされました。避難所や保育園、幼稚園での「小児はり」での施術が中心です。ストレスケアのために役立っているとは思いながら、「はり」というと、何となく怖いイメージがあり、実際の様子を知りたく、滋賀県甲賀市にお住いの理事長日比さんをお訪ねしました。
団体の始まり
曹洞宗の僧侶でもあられる日比さんが、特定非営利活動法人鍼灸地域支援ネットを立ち上げたのは、東日本大震災がきっかけだそうです。活動を長く続けるためには、団体になる必要があったのです。東日本での活動は、石巻の保育園の方から頼まれ現地に向かってから、郡山や大槌町など約6年間継続。その間並行して、茨城洪水、熊本地震などの緊急支援の活動も続けてきました。
小児はりとは
いわゆる乾布摩擦のようなもので、写真のような器具で、全身をこする施術のこと。心地よい刺激で、5分ほどで気持ちが楽になるそうです。ちょっと試してみましたが、痛いというより、くすぐったいといった感覚です。
一番右が大人用針です。小児用は全く違うものでした。関西では昔からよく使われているということです。
熊本地震のときは、余震が続いて眠れないお子さまが多かったようです。親子に施術することで、気持ちよかったという気持ちを共有できたことがよかったと日比さんはおっしゃっていました。
熊本地震のときのようすはこちらから 報告書p34参照
平成30年7月豪雨
倉敷市真備町地域の避難所にて、児童(就学前含む)に対しては小児はりと小児マッサージによる被災ストレスの軽減、保護者に対しては鍼灸術、マッサージ療術による痛みの緩和とストレスの軽減を行っていただきました。岡山の鍼灸師からの要請で、現地入りを決めたそうです。
緊急支援の際に、被災地に外部の人が避難所に入るのは、難しいことが多いですが、日比さんのお坊さんネットワーク、鍼灸師のネットワーク、また今までの活動を通してのネットワークにより、ぜひ来てほしいと求められず存在になっていると思いました。
実際の現場では、施術の際には、怒りを訴えてくる人などが多く、傾聴の大切さを感じるそうです。地域や自治体の方々が良かれと思ってやっていることが、その人にとっては必要がないなど、難しいことも多い中で、よく話をきいてあげる人の存在は貴重なのだそうです。緊急時以外の活動としては、傾聴のための研修なども行っているとのことです。
今回、活動の様子をうかがえて、大変勉強になりました。理事の3人は岩手、東京、滋賀県と離れていて、理事会や総会も開くのが大変ということでしたが、役割分担ができていて、いざという時の仲間もたくさんいるとても頼もしい団体でした。今後は、地域包括ケアを目指して活動をしていきたいということです。災害時、それ以外も地域に必要な存在になっていかれるのではと感じました。