助成団体紹介
2019活動報告|生きる力を育む学びの場「子どもコミュニティ農園」の実態!
特定非営利活動法人シェイクハンズ
報告者:代表理事 松本里美さん
2019年度の活動から、「子どもコミュニティ農園」についてご報告いただきました。
団体について 農園の概要 活動の経過 地元との交流 全体の振り返り 課題としては
団体について
1998年頃、国際理解教育やフェアトレードの普及を目指す市民団体として、発足。活動のなかで、犬山で暮らす外国人の子ども達に出会い、その実情を知ることにありました。愛知万博を機に、活動を多文化共生にシフトし、2009年に多文化共生・外国人支援を活動のメインに据え、NPO法人化。主に外国に繫がる子ども達の日本語・学習支援を中心に、地域で居場所づくりをしてきましたが、近年では、何かしらの困難を持つ地域の子ども達も通ってくるようになりました。
事業としては、子どもの地域での学習支援。交流会の開催、大人の日本語教室、地域での異文化理解行事などを手掛けています。メインの寺子屋活動(日本語・学習支援の場)には、市内・市外から3歳~17歳まで、約65人が通ってきています。
農園の概要
地元楽田・追分地区に約280坪の農地(休耕地)を借用し、野菜づくりができるよう、整備しました。周りは耕作放棄地が多いですが、リタイアした兼業農家の耕作地の広がる農業ゾーンで、子ども達が多く住む、県営学戦住宅より徒歩、7.8分の場所にあります。
活動の経過
4月下旬に雑草取りと畝つくりをし、「子どもコミュニティ農園」と命名。
原則として、週一回子ども達が作業をすることになりました。同時に、地主でもある鈴木氏を通して、協力者を募り、また、地域包括支援センターの紹介者にも声掛けし、折に触れ、指導や協力を要請しました。以降、春・夏野菜の植え付け、雑草取り、収獲など、子ども達は畑仕事を楽しくこなしていきました。特に低学年の子は作業がうれしく、また、特に来日後日が浅く、日本語や勉強に苦しむフィリピンの子ども達が農作業がうまく、それによって、寺子屋へ通うモチベーションも上がっていきました。
彼らを中心に、暑い夏の草取りも乗り切り、秋の収獲時には、とびっきりの笑顔が見られました。
地元との交流
畑仕事をしていると、黄色い声に誘われて、道を通る人が、声をかけて下さいます。スッカリ顔なじみ の方もでき、12/21の交流会では、地元コミュニティの役員のおじさん達が大勢参加してくれました。
地元のふれあい朝市に初めて出店。朝早くて、起きられなかった子が多かったですが、がっばって、サツマイモを売りました。「子ども達が作った野菜だから買うね!」と、うれしい反応がありました。。売り上げは、なかなか厳しいものがありましたが、子どもながらに、メッセージカードを入れたり、呼びかけも積極的にしたりと工夫を凝らし、地元の人に、しっかり顔を覚えてもらえました。
全体の振り返り
年度末には、新型コロナ危下にさらされましたが、子ども農園だけは、ほとんど影響を受けず、最後の収獲、新年度に向けての耕作準備まで、終える事が出来ました。 子ども達は、畑での遊び(?)を楽しみに通ってくるようになり、虫が好きな子、力仕事ができるなど、それぞれに居場所ができ、夏の盛りの作業も、仲良く乗り切る事ができました。散歩の人とも仲良くなり、また、中日新聞に取り上げられ、地域に自分たちの存在をアピールする事が出来ました。
課題としては
協力者がお手伝という形になっていまっていますが、もう少し積極的な指導を次年度からは望みたいです。 現状では、農園が学習指導者にかなりの負担がかかっているので、その負担を減らすために、新聞記事や口コミで、農園協力者を増やしていきたいです。
松本里美 さん
NPO法人シェイクハンズ代表理事。 外国に繋がる子ども達と出会って、約15年。以来、学習支援の場や保育園などで、子ども達と泣き笑いの毎日です。料理が好きなので、子ども達がつくった野菜で、交流会や子ども食堂などで、 一緒につくって食べるのが楽しみです。歌声サロンのおばあちゃんたちとのおしゃべり会・近所の人たちと「井戸端ワインバル」にはまっています。山が大好き!