公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

【助成先訪問】地域にしっかり根付き、行政、学校とも連携して様々な国の人々を支えるセンターを見学しました!

特定非営利活動法人ふじみの国際交流センター

理事長 石井 ナナヱさん

経済的困難を抱える子どもの学び支援

2020年度前期の活動について、代表の石井さん、日本語指導の担当の矢澤さん、国際子どもクラブ担当の山畑さんからお話を伺いました。

周辺地域以外からも相談が続々! コロナの影響は大! 初歩の初歩の子ども向けオリジナル教材「はじめのいっぽ」完成 毎週土曜日は「国際子どもクラブ」 訪問を終えて

周辺地域以外からも相談が続々!

平日毎日10~16時に開所しているセンターには、うかがった日(10月9日)も朝からアジア、アフリカ、南アメリカなど、様々な国の人が訪れます。日本語学習、就職の相談、書類の書き方など、外国の方が日本で暮らしていくためのサポートをすべて行っていると言えます。駅から近く皆が来やすい場所でした。

日本語指導の様子。感染症対策で手作りした飛沫防止シートだそうです。

コロナの影響は大!

今回のベネッセこども基金の助成は、「来日直後の外国人親子のために、留学生や母語話者による日本語学習支援と相談」事業の立ち上げですが、今までのように外国の方が来日して来ず、留学生も少ないと行った状態です。しかし、教材の制作と指導者育成研修を行い、受け皿を整えました。


指導者研修会の様子


週1回のみだった日本語指導が、本助成により平日毎日(10~12時)開催できるようになり、子どもの利用者は少ないものの、全体の参加者は増えたそうで、センターの隣の荷物置き場を工事して、教室として利用できるよう準備されていました。
ちなみに、この増スペースの内装を手掛けるのは、このセンターの卒業生でB-Project代表の中村ブレーズさん。打ち合わせにいらしていました!

団体発行の情報誌「ハローフレンズ」9月号に掲載されている中村さん

初歩の初歩の子ども向けオリジナル教材「はじめのいっぽ」の他、3種類の教材完成!

「まって!」:日本語がまったくわからず、どう行動して良いかわからないときに
「おながいたい!」「トイレ」:とにかく緊急事態を伝えられるように

日本の学校に初めて通う子どもに、いちばん先に必要な言葉は実はこれらです。
市販の教材で学ぶ前に、今使える言葉を集めた子どものためのオリジナル教材「はじめのいっぽ」を制作し、希望者に渡しています。また、勉強という形ばかりでなく、学ぶ意欲を高めスムーズな日本語獲得につなげる教材「頭の体操 いっしょにあそぼう」も制作しました。もう1冊は大人向けの教材です。

左:子ども向け「はじめのいっぽ」 中央:子ども向け 頭の体操用「いっしょにあそぼう」 右:大人向け 生活日本語「にほんでくらそう」他の団体や公民館などでの日本語教室などにもお渡ししたそうです。

毎週土曜日は「国際子どもクラブ」

今年度は助成事業の対象外ですが、子ども向けの事業をご紹介します。
毎週土曜日9~13時に「国際子どもクラブ」として学習支援を行っています。こちらにもコロナの影響がありました。5月末から再開できましたが、コロナ禍前は小学生、中学生が20名ほど来ていましたが、現在は受験への影響が大きい中3生10名にとどまっているそうです。
また、通年だと夏休みは毎日行う「国際子どもクラブ」も、今年は夏休みがとても短かったので、実質は1週間程度でした。周辺の小中学校に開催のご案内を出して5名の方が新しく学びに来られました。
訪問した日は、学校に通えていない子どもが日本語学習に来ていました。毎日来ているそうで、学校とも連携して子どもを見守っていることがわかりました。

訪問を終えて

石井さんのこれまでのご経験から考えると、今後子どもたちが来日するのは、早くて来年4月頃ではないかということです。コロナの影響がかなり大きく、今年度描いた計画通りにはなっていない点もありましたが、地域にしっかりと根付いているふじみの国際交流センターの希望である「岐阜県可児市のばら教室のような形」になることを目指して、我々もサポートしていきたいと思いました。





ふじみの国際交流センター

訪問時にいらっしゃったスタッフのみなさま(手前右:代表石井さん)

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