公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2021年事業紹介|医療的ケア児や重い障害を抱える子どもたちの"食"の世界を広げるプロジェクト

特定非営利活動法人 i-care kids 京都

代表理事 藤井 蕗さん

病気・障がいを抱える子どもの学び支援

医療的ケア児や重い障害を抱える子どもたちの"食"の世界を広げるプロジェクト

重点実行項目
テーマ①
「医療的ケア児や重い障害を抱える子どもたち×食育」のホームページでの発信
テーマ②
医療的ケア児や重い障害を抱える子どもたちと食べ物を育てる、五感で触れる、食べる活動の実施
テーマ③
家族や支援者向けの研修会の実施

助成金額
600,000円

選考にあたっての評価点
「食」の重要性に着目して、オンラインで広く情報を提供していく事業は意義があり、幅広い人々に対する波及効果を期待したい。



医療的ケア児と食育

メッセージ

2020年度に引き続き、私たち団体の「医療的ケア児や重い障害を抱える子どもたちの"食"の世界を広げるプロジェクト」に、ベネッセこども基金のご支援を賜り心から感謝を申し上げます。

新型コロナウィルスの影響を受ける中、2020年4月に医療的ケア児が通える小規模保育園キコレを京都市左京区に開園しました。コロナ禍で人と人との距離が大きくなる中、ベネッセこども基金のスタッフの皆様には、事業がしっかり軌道にのるように心配りをしてくださったり、他の団体との橋渡しをしていただいたり、とても心強く、ありがたく感じています。本当にありがとうございます。

小規模保育園キコレには、今年度7名の園児が在籍しています。4名が医療的ケアを必要とする子どもたち、3名が医療的ケアは必要ないけれど、重度の障害を抱える子どもたちです。園児たちは、鼻のチューブからミルクを摂取する子、ペースト食を口から食べる子、きざみ食を食べる子、普通の幼児食を食べる子など7人7様の食事形態です。病気や障害があってもなくても、子どもたちが豊かな"食"の体験を積み重ねていってほしいという願いから、保育方針の一つにも"食育"を盛り込み、様々な活動に取り組んでいます。

2020年度は新型コロナウィルスの影響があり、計画していた医療的ケア児をもつ家族や関係者のためのシンポジウムや勉強会を開催することができませんでしたが、保育園の方では、季節の野菜を園庭で育て、収穫し、料理し、食べるという一連の活動を子どもたちと取り組みました。また、梅や紫蘇ジュースを作ったり、うどんを打ったり、ピクニックごっこをしたり、様々な食の体験を積み重ねました。子どもたちは園で育てた野菜がきっかけで緑の野菜を食べられるようにったり、食事の量も増えたりと、保護者からも嬉しい声が寄せらせました。

2021年度の事業では、保護者や他園からのリクエストも高い小規模保育園キコレの食の取り組みを、ホームページから発信することに取り組みたいです。給食やおやつのメニューを紹介したり、子どもの障害や疾患によって変化させている食事形態の工夫や、保育園での子どもたちとの食育の取り組みなどをホームページで紹介し、多くの方々に伝えることができたらと考えています。また、2020年度には実現できなかった食のシンポジウムや勉強会を感染予防に取り組みながら実 施することができたらと考えております。引き続き保育園では、子どもたちと共に楽しい食の体験を積み重ねていきたいと考えております。2021年度もどうぞよろしくお願いいたします。


特定非営利活動法人i-care kids 京都

代表理事
アートセラピスト・保育士・特別支援教育教員免許取得・医療的ケア児家族

藤井 蕗 さん

京都教育大学発達障害学科卒業後、ドイツ、スウェーデンにて障がい児・者の支援に携わる。2004年英国ハートフォードシャー大学大学院アートセラピー科修了。帰国後、医療法人にて発達障がい児、高齢者、緩和ケアの領域でアートセラピーを実践。二男・旅也が18トリソミーを抱えて生まれてきて、在宅移行する際に退職。著書「a life 18トリソミーの旅也と生きる」(クリエイツかもがわ出版)。自分自身の体験を通して、障害や病気を抱えた子どもを授かったとしても、お母さんたちが自分の仕事を続けられる社会にしたい、自分たちと同じような体験をしている子どもたちや家族たちのプラットホームとなるような場所を作りたいと考え、「i-care kids京都」を立ち上げた。



2021年度<重い病気を抱える子どもの学び支援活動助成>採択団体一覧



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