公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2020活動報告|コロナ禍にどのように対応したか

一般社団法人 栃木県若年者支援機構

報告者:吉井 久乃さん

経済的困難を抱える子どもの学び支援

2年目の助成期間を終え、2020年度の活動ついて、コロナ禍にどのように対応したかをご報告いただきました。
事業の詳細などは以下からご覧ください。

助成事業の概要|一般社団法人 栃木県若年者支援機構




コロナ禍にどのように対応したか

訪問学習支援での工夫 研修の変更点 寄付箱の設置に切り替える 2021年度の活動について

訪問学習支援での工夫

2年目は、コロナ禍での一年となりましたが、訪問支援活動は13人に対して定期的に行い、訪問回数は延べ253回と、計画を上回り行うことができました。生活環境が厳しいご家庭、不安定な状況の子どもなど困難度の高い子どもたちへの学習支援を行うことができました。

コロナ禍における工夫としては、学習時におけるコロナ対策をとることはもちろんのこと、オンライン学習支援の導入、青空(野外)学習の実施など、感染リスクを下げる工夫をしながら行いました。オンラインでの学習支援導入に当たっては、NPO法人 Learning for All さんにアドバイスをいただきながら準備・運営しました。

青空(野外)学習
e-Learningによる研修

研修の変更点

当初の予定では、社会人ボランティアの力を活動に取り入れることを目指し、社会人向けの説明会や研修に力を入れる予定でしたが、コロナの影響により企業でのボランティア活動自粛が強まり、実現できませんでした。

そこで、学生ボランティアの募集、研修に力を入れることに切り替えました。経験が少ない大学生が安心して活動ができる様、まずは、各自自宅で研修ができるe-Learningを利用して基礎知識を身に付けてもらいました。また、実際に訪問学習をしていく中で出てくる迷いや困りごとについては、スクールカウンセラー/臨床心理士さんに「困った時の対処法」について直接アドバイスを頂く機会を設けました。その他、アナログゲーム療育アドバイザーさんに、集中して勉強することが難しい子どもの関わり方の一つとして、ゲームを通してコミュニケーションを取る方法について教えていただきました。

オンラインを含め定期的にボランティア説明会を開催しまた。大学生ボランティア向け研修を3回開催し、15人が参加してくれました。継続的な訪問支援ボランティアも3人増えました。

個別対応でのボランティア説明会
アナログゲームで育てる 「共同体感覚」

寄付箱の設置に切り替える

コロナ禍で、NPOへの寄付も生活困難者への対策など緊急性の高いものに関心が集まりました。県内NPOが集う「とちぎコミュニティ基金」を通して、他NPOと連携し、「コロナ禍支えあい寄付」を集めました。

また、これまでの企業、個人事業主、他NPOとのつながりをいかし、「訪問型学習支援を支える募金箱設置キャンペーン」を行い、現在28箇所に募金箱を設置いただいています。

募金箱の設置

2021年度の活動について

訪問型学習支援の形は整ったので、新たに利用を希望する子どもたちに向けて活動は継続していきます。一方で、学習支援教室や寺子屋活動に通うことが困難で、かつ家庭に訪問することが困難な子どもたちが存在することが明らかになってきました。そのような子どもたちが、自宅近くで気軽に勉強できるように地域の団体や公共施設と連携し、「小さな学びの拠点づくり」を増やしていくことにトライします。

一般社団法人 栃木県若年者支援機構

学習支援コーディネートスタッフ

吉井 久乃 さん

困窮家庭の子どもたちなどを対象とした学習支援プログラムを担当しています。
また、2020年度より「みんなが安心できる暮らしを社会全体で支える」ことをテーマにしたネットワークの構築事業が始まり、その全体コーディネートも担当しています。


SNSでこの記事をシェアする

一覧に戻る