助成団体紹介
これから始まる香川の病弱児支援 「子どもの未来をあきらめない」シンポジウム開催報告
特定非営利活動法人未来ISSEY
吉田 ゆかり
2021年度重い病気を抱える子どもの学び支援活動助成事業として、特定非営利活動法人未来ISSEYが8月22日に、<これから始まる香川の病弱児支援 「子どもの未来をあきらめない」>シンポジウムを開催しましたので、ご報告いたします。
本シンポジウムは、当団体が取り組んでいる活動を広く知っていただくとともに、病弱児や家族が抱える課題に必要な支援について理解を深めていただくことを目的にオンラインにて開催しました。
教育・医療・福祉・行政と多岐にわたる職種の方々、約130名以上にご参加いただきました。
- 日時
- 令和3年8月22日(日) 13:30~16:30
- 場所
- 香川大学教育学部611教室 (YouTube 同時配信)
- 主催
- NPO 法人未来 ISSEY / 香川大学 共催
- 協賛
- 公益財団法人 ベネッセこども基金
プログラム概要
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認定 NPO 法人ラ・ファミリエ 理事長
愛媛大学大学院医学系研究科 地域小児・周産期学講座 教授
檜垣 高史 先生 - 講演①「病気を乗り越えていく子どもたちのために私たちができること~小児慢性特定疾病児童等自立支援事業のめざすところ~」
- 昭和大学大学院保健医療学研究科 准教授 副島 賢和 先生
- 講演② 「学ぶことは生きること〜涙も笑いも、力になる〜」
- 講演③ NPO 法人しぶたね 理事長 清田 悠代 様
- 「病気や障がいのある子どものきょうだいを応援する~子どもが「子ども」でいられるように~」
- 登壇者ディスカッション
- テーマ:香川に小児慢性疾患を抱える子どもと家族のサポートの輪をつくる
「子どもの未来をあきらめない」香川で支援の輪を広げていく想い
小児慢性疾患を抱える子どもとご家族を支える分野は多岐にわたり、これまでも香川県において、医療・行政・教育・民間団体・個人がそれぞれに努力をしてきました。
しかし、当事者に自分たち自身の困難を表出する気持ちがなかったり、周囲が困難に気付けなかったり、当事者が耐えるしかないという状況があります。
今回、各分野で先駆的な取り組みをされる先生方と、香川大学医学部小児病棟看護師長、支援団体である当財団と学生ボランティア「グッドブラザー」代表が一堂に会し、課題を洗い出し一緒に議論できたことは非常に意義のあるものでした。
各関係者がもつ支援・ノウハウを個々に提供することに終わらず、関係者同士が横のつながりを強くし、広げていくことが重要です。その結果、病弱児の子どもや保護者に必要な支援を落とすことなく提示できると考えます。
また一つのヒントとして、グッドブラザーのように全国で同じ思いをもって活動する学生ボランティアのネットワークを作ることについてのご提言もいただきました。できるところから、一歩ずつ進めていきたいと思います。
今回はコロナ禍のためオンライン配信が主になりましたが、状況が落ち着いた時期には、是非先生方と参加者の対面での多種交流会や講演会を開催していきたいと思います。
参加者の声
- 香川県でもこのような活動が行われていることを知らなかったため、とても勉強になりました。特に、きょうだい児へのサポートの重要性に改めて気づきました。本人だけでなく、家族などその子の周りを含めて考えていかないといけないと感じました。
- 将来、病児と関わる仕事に就きたいと考えていて、今回のシンポジウムを通してその想いがますます強くなりました。 対象が子どもであるからこそグッドブラザー等、学生にもできることが沢山あるなと感じました。自分にも何かできることはある!!と気付かされた一日になりました。すごく貴重な時間になりました。
- 【繋がる繋げる】ために私も仲間がほしいし、多用種の繋がりを築いていくために、私は何が出来るのか?私たちは何が出来るのか?年齢や性別関係なく、同じ想いの方々と話をしたい!知りたい!動きたいと思いました。
吉田 ゆかりさん
中讃ケーブルビジョン株式会社にてアナウンサーとして勤務ののち、株式会社インペックスの専務取締役として婚礼やイベント司会等で活躍。次男の闘病経験を経て、香川県で同じような状況の子どもや家族の力になりたいと2018 年11 月に非営利団体NPO 未来ISSEY を設立。より支援の輪を広げるため、2020年10月、特定非営利活動法人(NPO法人)として法人格を取得した。自身の経験を活かし、慢性疾患により長期入院や療養をしている子どもたちの学習・学び体験の場を作っていく活動や家族の相談事業に注力している。またその子どもや家族の現状を講演活動や映像制作・上映を通じて広めている。