助成団体紹介
【助成先訪問】小児がんなどの子どもたちへ学習支援を実施している、勇者の会を訪問しました!
勇者の会
2022年度「重い病気を抱える子どもの学び支援活動助成」の助成団体である、勇者の会@北海道を訪問しました。
勇者の会とは 支援で大切にしていること ホテルの貸し会議室を利用した学習支援の様子 ボランティアさんの声 訪問を終えて
勇者の会とは
小児がんなどの子どもとその家族を支えるため、2017年に北海道札幌にて活動を開始した勇者の会。
入院生活や自宅での維持療法のため学習が遅れがちになる子どもたちへ、学習支援を実施しています。
また、孤立しがちな家族との交流会を通して、情報交換や想いを吐露できる場を提供しています。
支援で大切にしていること
病気をきっかけに遅れてしまった学習のサポートや、治療によって閉ざしてしまった心を開く活動に力を入れています。
退院後も、病気の影響により髪の毛が抜けるなどの外見の変化や、感染症対策を徹底した生活が長期間続くことにより、不登校になったり、気持ちが不安定になったりする場合もあります。
ボランティアさんは、子ども一人ひとりの体調や気持ちに寄り添い、信頼関係を築きながら、精神面での意欲アップも図り学習をサポートしています。
ホテルの貸し会議室を利用した学習支援の様子
<場>と<オンライン>による学習支援を実施しています。
<場での支援>
感染症リスクが少ない安心できる学習支援場所の1つとして、ホテルの貸し会議室を利用しています。
実際にホテルの貸し会議室での学習支援の様子を拝見することができました。自宅からホテルまでは保護者の車で送迎し、エレベーターから部屋に直行すれば人との接触を最小限に抑えることができるため、感染症リスクへの不安をおさえることができ、とても安心できる場所だとおっしゃっていました。
ホテルのワンフロアが会議室のみになっており、部屋に入るとベッドの代わりにホワイトボードや机が設置されており、集中した環境で学習することができます。
<オンラインでの支援> 自宅が遠方で札幌まで通えない子どもには、LINEやZOOMを使ったオンライン指導を取り入れています。
ボランティアさんの声
勇者の会の立ち上げ当初から学習支援や団体のサイト制作などを担当しているボランティアの豊田さんに一番のやりがいは何か伺ったところ、「心を閉じてしまっている子どもが、自分にしかみせてくれない表情があることです」とお話くださいました。
はじめは会話の反応が薄い子どもも、だんだんと自分に心を開いてくれて、信頼してもらえる関係になれることが一番嬉しいことだそうです。
現在大学院2年生のため今年度でボランティアを卒業する豊田さんは、自分が団体で実施してきた支援内容やコツなどを、他のボランティアさんに残していくことも最後までやり遂げたいとお話くださいました。
訪問を終えて
小児がんを患っている子どもの学習支援を北海道内で実施してくれる団体がない―だから自分が立ち上げると決意された阿部代表。
現在は任意団体として活動されていますが、法人化にむけて現在手続きの準備をされており、今後ますます活動の輪をひろげられようとしています。
ベネッセこども基金としても他の助成団体様との交流会などを企画して、情報交換の機会を提供するなど、事業が加速できる応援をしていきたいと思います。
阿部美幸 さん
2016 年に長男が小児ガンに罹患したことをきっかけに、2017 年11 月に勇者の会を設立。入院生活や自宅での維持療法のために人混みに行けない子どもたちを対象とした学びや体験の支援を行う。チャリティイベントや講演会などの活動も精力的に実施している。