助成団体紹介
2022年事業紹介 香川県内におけるがんや難病の子どもとその家族のケアサポート事業
NPO法人 未来ISSEY
香川県内におけるがんや難病の子どもとその家族のケアサポート事業
- 重点実行項目
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テーマ①
チームグッドブラザーに参加するスタッフ・ボランティア育成研修の実施 -
テーマ②
対象者への学習・交流支援・季節イベントの実施 - 助成金額
- ¥892,000
- 選考にあたっての評価点
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コロナ禍でもグッドブラザーの活動など、着実な支援を行っており、活動の継続が可能になる自主財源を獲得する体制づくりを期待しています。
1)団体の紹介
未来ISSEYは香川県で病気を抱える子どもとその家族が笑顔で治療できるように様々な支援を行っています。
入院、療養をしている子ども達と地域の学生をつなぎ、交流や勉強の支援や、その学生の育成事業、「会いたい」を繋げるコミュニケーションロボット貸出し事業、同じ経験をした経験者が相談にのるピアサポート事業、交流イベント開催、対象者の抱える問題や取り巻く環境を伝える啓発活動、SNS発信等で「希望をもって治療に取り組むことができる香川県」の実現を目指し活動を行っています。
2)今回助成を受ける事業の紹介(課題、実行項目)
入院や療養をしている子ども達や家族は病気や治療への不安や苦しみの中、会いたい人に会えない、したいことができないといった辛い環境にある中、コロナ禍となり、増々厳しい状況となっています。
未来ISSEYは、2020年から香川県内で⾧期入院や療養をしている子ども達に対し、交流・学習支援を行う「チームグッドブラザー(TGB)」を立ち上げ、コロナ禍では学生達による手作り問題集をきっかけとして、オンラインでの学習・交流支援を行っています。
病院との連携も深まっては来ているものの、まだ確固とした支援体制が出来上がっているとは言い難く、今後も継続しての支援、根付かせていくために体制の強化を図っていくことが必要です。そのために、TGBに参加するスタッフ・ボランティア育成研修の実施をし、対象者への支援を単発ではなく継続して行っていくことが必要と考えます。
3)事業を実行していく上でのポイント・抱負
今回も採択いただきありがとうございます。
今後も対象者に継続的な支援をしていけるよう、研修会では学生のスキルアップはもちろんのこと、積極的に参加してくれるような内容を考えていくことが必須と感じています。
特にコロナ禍において学生がやりがいを感じられるような環境を作っていきたいと思います。また、対象者が未来ISSEYの支援を必要とする際にはすぐに支援できるように寄り添っていけるような体制の確立を図っていきたいと思っています。そして今後は自立してこの活動を継続できるようにしていきます。
事務所を訪問しました
香川県丸亀市にある未来ISSEYさんの事務所を訪問しました。
「重い病気を抱える子どもの学び支援活動助成」の3年目となる未来ISSEYさんは、今年が団体設立4年目ながら、素晴らしい吸収力と行動力で想いを形にしてきておられます。ご訪問の際も、現状のご報告から、今直面している課題まで、濃い対話ができたように思います。
助成事業である長期療養・入院児のための学習支援組織は、学生ボランティアの主体性も引き出しながら、支援体制が出来上がりつつあるようです。コロナ渦で依然として病院に入っての直接の支援はできない状況ではありますが、オンラインでの支援を試行錯誤して実施されています。
また、昨年度ベネッセこども基金の助成団体有志で行った「事業評価研究会」にも年間を通してご参加くだいましたが、ロジックモデルのフレームでビジョンや打ち手を再整理したことで、休眠預金の助成採択につながったそうです。今は活動の広がりの中で、どのように中長期的に資金面を組み立て実現させていくか、行政とどのように連携していくか、次なる課題に全力で向き合っている様子がうかがえました。
香川県内の各機関が連携し、病弱児を孤立させない・学びが途絶えない支援体制を根付かせるために奮闘されている未来ISSEYさんを今年も応援させていただきます。
吉田ゆかりさん
中讃ケーブルビジョン株式会社にてアナウンサーとして勤務ののち、株式会社インペックスの専務取締役として婚礼やイベント司会等で活躍。次男の闘病経験を経て、香川県で同じような状況の子どもや家族の力になりたいと2018 年11 月に非営利団体NPO 未来ISSEY を設立。より支援の輪を広げるため、2020年10月、特定非営利活動法人(NPO法人)として法人格を取得した。自身の経験を活かし、慢性疾患により長期入院や療養をしている子どもたちの学習・学び体験の場を作っていく活動や家族の相談事業に注力している。またその子どもや家族の現状を講演活動や映像制作・上映を通じて広めている。