公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

【助成先訪問】病気の子どもの見た目やメンタルのケアに取り組む「チャーミングケア」を訪問しました!

一般社団法人チャーミングケア

病気・障がいを抱える子どもの学び支援

2022年度「重い病気を抱える子どもの学び支援活動助成」の助成団体である、チャーミングケアを訪問しました。

左から:米田選考委員、石嶋代表、青木(ベネッセこども基金事務局)

チャーミングケア研修


重点実行項目
テーマ①
チャーミングケア研修ベータ版の実施(スラックコミュニティの始動)

テーマ②
チャーミングケア研修のコンテンツ熟成(コミュニティ内での勉強会やワークショップなど)

テーマ③
チャーミングケア研修システム構築(テキストや動画なども駆使した形での講座の提供)

助成金額
1,462,000円

選考にあたっての評価点
・これまでの学習会やイベント開催の積み重ねを活かして、居場所と学びの機会の提供に踏み出すことは意義を感じます。イベントの内容も具体的で評価できます。
・交流のみに終わらせることなく、学びの視点を意識し深める活動を期待します。

1)団体の紹介

チャーミングケアを広め、子どもたちの生活を豊かにする。病児や障害児に「可愛い」や「かっこいい」を届け、子どもたちと家族の豊かな生活文化の実現を目指します。


2)今回助成を受ける事業の紹介(課題、実行項目)

チャーミングケア研修: 2020年から継続して行っている、音声配信事業のゲストで今まで出演いただいたプロフェッショナルの方々にご協力を得る形で講義を展開。一人でも多くの方に協力者になっていただくために、医療従事者や教育関係者、理美容関係者の方々を対象に、オンラインにてチャーミングケア研修を受講していただき学びを深めていただきます。最大の特徴は、病気や障害を経験した子ども自身も講師となって研修を行う点です。


3)事業を実行していく上でのポイント・抱負

病気や障害を経験した子ども自身が講義をすることによって、子どもの自己肯定感の底上げや、「講師になる」という新たな目標を立てることにより、病気や障害の受容を子ども自身が知らず知らずの間に身につけ、その後の人生において生きづらさを感じにくい道筋を作っていけるのではと考えています。

チャーミングケアを訪問しました

大阪府池田市にあるチャーミングケアの事務所を訪問し、代表の石嶋瑞穂さんにお話を伺ってきました。

石嶋さんは、長男の壮真さんが小児がんで約2年間の闘病に付き添った経験から、病気や障がいのある子どもたちの外見ケアやメンタルケアに注目し、保護者を含めた家族看護の課題解決に取り組んでいます。

病気や障がいのある子どもたちは「おしゃれで身につけたい」と思っても、そのようなグッズは少ない状況にあります。あったとしても、大量生産できないため高単価なものが多く、手が届きにくくのが実情です。さらに、子どものケアが重くなるほど保護者は働くことが難しくなり、子どものアピアランスケアやメンタルケアまで余裕が保てなくなります。

そこでチャーミングケアでは、「かっこいい」「かわいい」というキーワードを前面に打ち出し、ポータルサイトを運営しています。サイト内では「まなぶ、はたらく、かう、しる」という項目があり、「まなぶ」ではオンライン研修を実施しています。子どものアピアランスケアというテーマで多様な専門家が講師になったり、当事者の子どもたち自身も「子ども講師」として講義する点も特徴です。この取組みについては、米田選考委員からも「子どもたちの自己肯定感の向上にもつながる」というコメントもあり、「こどもアドボカシー」の話題などにも広がりました。

一方で「子ども講師」になるには、自分の病気を客観的に他者に語れる力などが必要で、簡単なことではありません。今後どのような研修の形がよいのかについては、この助成事業を通して試行錯誤を繰り返していきたいとのことでした。ベネッセこども基金としても引続き取組みを応援していきたいと考えております。

一般社団法人チャーミングケア

代表

石嶋 瑞穂 さん

2016年長男が急性リンパ性小児白血病に罹患していることが発覚。約1年間24時間体制での子どもの闘病付き添いを機に医療ケアグッズのECショップを病室で制作。病気や障害のある子どもと家族の治療以外のトータルケアに『チャーミングケア』と名付け、一般社団法人チャーミングケアを設立。2020年に支援企業から100%出資によりECマーケットプレイスのサービス開始し2021年より一般社団法人にて運用開始。2022年より病児障害児と家族への適切な配慮に関する研修事業スタート。

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