助成団体紹介
【助成先訪問】難病児の作品展&交流イベント「はるマルシェ」
公益社団法人難病の子どもとその家族へ夢を
「重い病気を抱える子どもの学び支援活動助成」の助成団体である、「公益社団法人難病の子どもとその家族へ夢を」さんの交流イベントに参加しました。
「難病の子どもとその家族へ夢を」の助成事業
「公益社団法人難病の子どもとその家族へ夢を」は小児難病を患う子どもとその家族を応援することを掲げて、テーマパーク等に家族全員を連れて行く事業に始まり、その後日常サポートとして小児専門の訪問看護ステーションを立ち上げました。しかし、医療的ケアが必要な子どもとその家族を支えていく為には、医療のみならず、学びや遊びも重要であることから、医療的ケア児の家庭を訪問し、母や兄弟児と一緒に発達に必要な遊びの提供、感覚発達を促す身体表現、五感を刺激していく表現活動を助成事業として実施しています。
コロナ禍での医療的ケア児の学び・発達支援 病児や家族、スタッフが集う"はるマルシェ"
想いをつなぐ、ケアノート展示コロナ禍での医療的ケア児の学び・発達支援
医療的ケア児を取り巻く課題について、ここ数年で認知が広がってきていますが、家族が直面するケアの大きな負担、未就園期の居場所の問題、学びの場の欠如は依然深刻です。
「難病の子どもとその家族へ夢を」さんは、2021年から、学びや表現の場が必要な医療的ケア児や保育園等に入園する権利を奪われている医療的ケア児の家庭を訪問し、保護者やきょうだい児と一緒に発達に必要な遊びの提供や、感覚発達を促す身体表現、五感を刺激していく表現活動を、その子その子に応じて行ってきました。
途中コロナによる中断も余儀なくされる中、2022年3月には、一堂に会したお披露目会を実施する予定でしたが、再びの感染拡大でお披露目会は断念。年度をまたいで、実施方法を見直すことになりました。
病児や医療的ケア児、家族、スタッフが集う"はるマルシェ"
企画ご担当の柴田さんはじめスタッフの方は、普段家に閉じこもりがちな医療的ケア児の学びの活動を発表する場、そして多くの人にこの現状を知ってもらう場が必要だという想いから、お披露目会はぜひ実施したいと以前から強く思っていらっしゃいました。
実施が延期になったことを機に企画を再考し、子どもたちの作品などのお披露目だけでなく、医療的ケア児と家族、また支えるスタッフや医療的ケア児家族を応援したい人が集い交流する場として、企画をスケールアップさせ、2022年11月13日(日)、念願の「はるマルシェ」が実施されました。
子どもたちの写真展や作品展の展示だけでなく、音楽体験のワークショップ、手作り雑貨の販売、医療的ケア児家族によるネイルアートや、看護スタッフによるハンドマッサージ、きょうだい児によるフリマなど、それぞれが主役となって、イベントをもりあげ、訪れた方々との交流を楽しみました。
想いをつなぐ、ケアノート展示
様々なコーナーの中でひときわ目を引く、ネイルアートコーナーには、日々のケアに関する情報をまとめたお手製の「ケアノート」が展示されていました。
ケアを母親だけで背負わず、いろいろな人と協力していくためには「ケアノート」の作成はとても重要なものだそうですが、どのように作ればいいか、そのノウハウはまだまとまっていません。医療的ケアが必要な子どもの子育てを経験された方が、同じ状況の方の参考になればと、試行錯誤の中で作成したケアノートを公開してくださっているもので、ネイルアートをしている間のおしゃべりを通して、来訪者に経験を伝えたり、共感したり、応援したりする貴重な時間となっていました。
マルシェでは集った当事者家族、スタッフ、関係者それぞれが支えあってお互いに元気をもらう、心地いい空気が流れていました。訪問看護に加えて、発達・学び支援を実施した今回の取り組みは、次年度は事業として継続して実施されることが決まったそうです。これからも「難病の子どもとその家族へ夢を」さんの取り組みに注目していきたいと思います。
大住力 さん
東京ディズニーランド等を管理・運営する㈱オリエンタルランドに入社し、約20 年間、人材教育、東京ディズニーシー、イクスピアリなどのプロジェクトの立ち上げや運営、マネジメントに携わる。現在は、難病と闘う子どもとその家族の応援を目的とした公益社団法人 難病の子どもとその家族へ夢を代表。「"いま" を生きる」、をテーマに、難病と闘う子どもと家族への応援と共に、誰でもが持っている「底力(ソコリキ)」を応援するべく、教育現場から、刑務所、企業等幅広い講演活動を行う。