公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2023年事業紹介 "負の連鎖"を防ぐ為、離島の生活困窮家庭のヤングケアラーの学習支援及び生活 支援事業

特定非営利活動法人 こどもエンカレッジアート

経済的困難を抱える子どもの学び支援

"負の連鎖"を防ぐ為、離島の生活困窮家庭のヤングケアラーの学習支援及び生活支援事業


重点実行項目
テーマ①
負の連鎖を防ぐ為の離島のヤングケアラーの学習支援("島っ子未来塾")

テーマ②
ヤングケアラーの子どもたちの保護者の生活力向上支援事業 事業

テーマ③
貧困家庭の子ども(特にヤングケアラー)の為の学習支援主体の子ども食堂設立支援(セミナー開催)

助成金額
3,000,000円

選考にあたっての評価点
離島のヤングケアラーに、アウトリーチする取り組みのモデル性の高さを評価します。支援の届きにくい他地域への波及効果に期待します。

1)団体の紹介

設立当初は、アートの力をもって子どもをはじめとするすべての人々の健全育成や想像力の向上、感性の育みを図る諸活動を行っていましたが、理事長が長崎の貧困家庭の子どもたちの学習支援をしているNPOに研修に行き、感銘を受け、以後県内の生活困窮者の支援を行っているNPO法人と協力し、離島や限界集落の子どもたちの学習支援に力を入れてきました。子ども食堂への学習支援にも力を入れ、訪問活動を行う際、"メッセンジャーナース"活動を行っている看護師からヤングケアラーの存在を知り、特に離島で喫緊の課題となっていることが確認でき、介護、食育、学習、心のケア等各面から連携して支援していく必要性を痛感し、"かごしまヤングケアラー支援ネットワーク"の構築にも尽力しています。


2)今回助成を受ける事業の紹介(課題、実行項目)

ヤングケアラーとは、障害や病気を抱えていてケアを要する家族がおり、家事や家族の世話などを行う18歳未満の子どもを指す言葉で、フォローが必要な家族がおり、サポートできる大人がいない場合、子どもがその責任を負わざるを得ない状況です。特に鹿児島県の離島は、高校をでるとほとんどの若者が都会に出て、又このコロナ禍で母親も仕事に出ざるを得ない状況の中でヤングケアラーとなっている子ども達が多いことが推察でき、行政の支援もまだ十分に進んでいない現況です。

子どもが家族を支援すること自体は問題ありませんが、子どもとして守られるべき権利が侵害されているケースが多く支援を必要としているため、その実態を把握し、支援策を模索し、政策提言できる事業を行います。

3)事業を実行していく上でのポイント・抱負

文部科学省と厚生労働省が令和3年3月に発表した調査結果によると中学2年生の約17人に1人がヤングケアラーでした。ヤングケアラ-という言葉自体の認知度が低く、無自覚のまま負担がかかっており助けを求められない子どもが多くいると推察されます。潜在するヤングケアラ-となっている子どもが多いにもかかわらず、行政の支援がまだ十分に進んで いない状況で、当法人が離島で毎年開催している学習支援活動で支援を必要とするヤングケアラーの多いことが確認でき、地元の児童福祉、高齢者福祉系のNPO法人と協力し、真の子どもたちの声を拾い、必要としている支援を分野別に支援者を確保し、支援ネットワークの構築に注力したいと考えています。

【負担を抱える子どもたちのいない社会の実現を目指して!】

特定非営利活動法人 こどもエンカレッジアート

理事長

山方博文 さん

大学卒業後、鹿児島県立の高校や聾学校の教諭として勤務。また、県や市・村の教育委員会事務局に勤め、国・県の青少年教育施設でも研鑽を積み、行政・学校では管理職も勤め、養護学校校長を最後に退職しました。
 公職を退いてから、スポーツ競技団体の役員として、鹿児島マラソンの創設・実施や組織の健全・円滑な運営に尽力し、特に、コロナ禍における各種競技会の開催にあたっては、感染防止対策に意を用いて企画・運営に努めました。
 令和3年度から、「こどもエンカレッジアート」のメンバーの一人として参加し、今年度理事長に選任され、主に学習支援部門の統括を担当します。更にヤングケアラーの支援に関する理解・啓発に取り組み、子どもたちの支援を行っていきたいという思いでいます。

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