公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2023年事業紹介 長期入院・療養を経験する高校生 の在籍校での学びにつなぐ事例集作成事業

特定非営利活動法人未来ISSEY

病気・障がいを抱える子どもの学び支援

長期入院・療養を経験する高校生の在籍校での学びにつなぐ事例集作成事業


重点実行項目
テーマ①
行政の方策の情報と全国の長期入院・療養を経験した高校生の在籍校での学びの事例集作成


助成金額
1,168,000円

選考にあたっての評価点
当事者の休学・退学を防ぎ、在籍校での学習継続を可能にする必要な環境整備のために、行政に働きかける素材として有効な成果が得られることを期待します。

1)団体の紹介

特定非営利活動法人未来ISSEYは、香川県内の子どもたちが病気になっても、子どもとそのご家族と周りの人たちが希望を持ち、前向きに立ち向かえることを目指す香川県唯一の団体です。 スタッフがピア(経験者)という立場を生かした「寄り添う」気持ちを大切に、様々な環境下の子どもたちの教育支援と、病気と闘っている子どもとその家族が笑顔で希望をもって治療できる環境作りを目標に活動しています。


2)今回助成を受ける事業の紹介(課題、実行項目)

全国的に見て、長期入院や療養中の高校生が籍を置く学校の授業にオンライン等で参加し、学習や友人・先生との交流を止めずに単位習得や進級・復学につながるシステムは、まだまだ 整っていません。しかし逆に、個人や団体の粘り強く熱い働きかけがシステム構築につながった事例もたくさんあります。

この事業では、専門機関で研究・分析・作成していただいた、行政の動き・全国の高校生の事例などを整理し掲載したデータ・冊子を、香川を含め全国の病気を抱える高校生と保護者、教育委員会、教育関係者、医療関係者等に広げます。身の回りに同じ経験をした友人がいない時、自分の希望を具体的に誰にどう発信すればよいか、全国の高校生が発信した声を集めた資料は有効であると考えます。

また本人の代理で学校へ赴く保護者にとっても、行政の動き・全国の事例について学校に明確に提示でき、在籍校での学びにつなぐ非常に重要なツールとなります。

この内容は関係者がすぐに閲覧できるようにし、最新の状態に更新できる体制を整えていきます。

3)事業を実行していく上でのポイント・抱負

高校生が休学せずに在籍校の授業を受けることができたケースは、希少ながら全国に存在します。香川県においても、県教育委員会の方針が昨年2月に大きく前進しました。この結果は約2年前から未来ISSEYが率先して各界へ呼びかけ、取り組んだことによるものです。

またピアサポーターとして状況の改善後も継続して彼らと関わる当法人が、これらの情報を全国から集約されている、大阪府 久保田鈴之介様と久保田一男様鈴美様・全国病弱教育研究会副会長育英短期大学 栗山宣夫先生との協同でのデータ・冊子作成に取り組みます。また資料提供に加え、本人と保護者の願いを実現するための伴走者・支援団体の必要性について社会的認知を高め、全国的な制度変更にもつなげていきます。

特定非営利活動法人未来ISSEY

代表

吉田 ゆかりさん

中讃ケーブルビジョン株式会社にてアナウンサーとして勤務ののち、株式会社インペックスの専務取締役として婚礼やイベント司会等で活躍。次男の闘病経験を経て、香川県で同じような状況の子どもや家族の力になりたいと2018 年11 月に非営利団体NPO 未来ISSEY を設立。より支援の輪を広げるため、2020年10月、特定非営利活動法人(NPO法人)として法人格を取得した。自身の経験を活かし、慢性疾患により長期入院や療養をしている子どもたちの学習・学び体験の場を作っていく活動や家族の相談事業に注力している。またその子どもや家族の現状を講演活動や映像制作・上映を通じて広めている。

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