助成団体紹介
2024年事業紹介 アーティストによるワークショップを通じた病児の創造的体験の場づくり
特定非営利活動法人芸術家と子どもたち
アーティストによるワークショップを通じた病児の創造的体験の場づくり
- 重点実行項目
-
テーマ①
埼玉県立小児医療センターでのワークショップの実施 -
テーマ②
埼玉県立小児医療センターでの動画コンテンツ配信 -
テーマ③
新規施設とのネットワーク形成と活動の発信 - 助成金額
- 2,000,000円
- 選考にあたっての評価点
- 計画に具体性があり、実現可能性が高いと感じられました。定期的なワークショップの開催や動画配信などを通じて、多くの受益者にサービスが届くよう、期待しています。
団体の紹介
NPO法人 芸術家と子どもたちは、1999年に発足、2001年からNPO法人として活動を行っています。
私たちが取り組んでいるのは、現代アーティストと、いまの子どもたちが出会う「場づくり」です。
多様な価値観・考え方・身体感覚を持つ人々が共生する社会を創出するため、子どもたちとアーティストの出会いを通じて、創造的な学び・遊びの機会をつくりだす活動を行っています。
今回助成を受ける事業の紹介(課題、実行項目)
埼玉県立小児医療センターを利用している入院中や外来の子どもたちを対象に、プロの現代アーティストが、対面によるワークショップ、オンラインワークショップ、動画配信を実施。
その子の状態に合わせて、参加可能な方法で、プロのアーティストによる表現に触れ、身体表現、音楽、美術等の表現ワークショップで楽しく自己表現する機会を提供します。
入院や通院のために楽しい体験の機会が減少してメンタルヘルスが悪化している子どもたちの心のケアを行いながら、子どもの表現力、想像力、創造力等を刺激し、潜在的な可能性を引き出すとともに、自己肯定感や前向きに生きる力、主体的に生きる力を育成し、小児患者の成長を促します。
また、次年度以降の展開を目指し、新規の病院等へ働きかけを行ったり、ショートムービーの製作による活動紹介の発信に取り組みます。
事業を実行していく上でのポイント・抱負
実施にあたっては、病院のボランティア担当者、医師や看護師の他、チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)や病棟保育士など、専門職や様々な立場で子どもたちのケアに携わる方に協力してもらい、アーティスト、病院、子どもたち三者のコラボレーションによる、アートを活用した心のケアの実践に挑戦したいです。
痛みを伴う様々な検査や、日常生活から切り離されてしまう入院生活など、マイナスなイメージを持たれがちな病院ですが、「この病院にはこんな楽しいことがある」というイメージを持てるようになると、治療に向かう子どもたちの気持ちや、院内で働く看護師等のモチベーションの向上にもつながる効果が期待できます。
アートとの出会いを通じて、子どもの潜在的な力が引き出され、病児やその家族が自分の可能性に気づいたり、意欲を持ったりすることで、重い病気を抱える子どもたちの成長の可能性をもっと豊かに広げられる、そんな活動にしたいです。
堤 康彦 さん
1965年東京生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。87~97年東京ガス㈱に勤務。99年より独立。現代芸術家を小学校等へ派遣しワークショップ型授業を実践する活動「ASIAS(エイジアス)」をスタート。2001年NPO法人化。
03年「アサヒビール芸術賞」受賞。04~16年、「トヨタ 子どもとアーティストの出会い」ディレクター。18年「第12回よみうり子育て応援団大賞」奨励賞受賞(主催:読売新聞社)。19年「第13回未来を強くする子育てプロジェクト」「スミセイ未来賞」受賞(主催:住友生命保険相互会社)令和5年度文化庁長官表彰受賞。著書に、「子どもたちの想像力を育む アート教育の思想と実践」(共著/佐藤学・今井康雄編)他。