公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2024年事業紹介 LTCの子どもと家族の状況を学びで改善する仕組みづくり~子どもたちへ繋ぐ自然、文化、そしていのち~

特定非営利活動法人 北海道こどもホスピスプロジェクト

病気・障がいを抱える子どもの学び支援

LTCの子どもと家族の状況を学びで改善する仕組みづくり~子どもたちへ繋ぐ自然、文化、そしていのち~


重点実行項目
テーマ①
こども達の「やってみたい!」を大切にする野外活動教育の取り組み

テーマ②
こども達の様々な想いに寄り添うクラシック音楽を通しての情操教育の取り組み


助成金額
980,000円

選考にあたっての評価点
LTC(命を脅かす病気)を抱える子どもの教育支援は緊急度が高いことに加え、実現可能性の高さや、学びの質を意識して活動のねらいを考えている点を評価しました。助成終了後の活動展開についても検討が進むことを期待します。

団体の紹介

2015年より任意団体として活動を開始し、2017年より一般社団法人として北海道にこどもホスピスを設立することを目指して活動をしています。

現在は仮施設「くまさんのおうち」を運営し、命を脅かす病気のこどもが入院中、退院後であっても"楽しみながらまなぶ""おなじ状況の子どもたち交流をはかれる""こどもとしての成長発達が保証される"などが可能となる場として北海道大学病院との連携をはかりながら活動を進めています。また、2023年より札幌市の公約にこどもホスピス支援を加えて頂いたことから今後行政との協働がより期待されます。


今回助成を受ける事業の紹介(課題、実行項目)

今回は2つの事業を実施させていただきます。

まず「こども達の「やってみたい!」を大切にする野外活動教育の取り組み」です。小児がんなどの重い病気や障がいのある子どもとご家族は、外出の機会や他者とのふれあいが極端に少ないです。また、北海道という地域に住んでいながらも、疾患等のために家族のみでは野外での活動が難しいと考えている家族が多いこともアンケート等で明らかになっています。そのため、看護師、専門ガイド等がいる安心な自然環境のもとで、思いっきり遊んだり、のんびり外で過ごしたりすることで、リフレッシュや明日を生きる力につなげていきます。また、カヌーやキャンプという活動を通して、自分たちにもできるという体験を積み重ねていくことで自己肯定感を高め、仲間や地域社会とのつながりを感じることで、一人じゃない、自分たち以外にもたくさんの人たちが理解し支えてくれていることに気が付く機会にします。

2つめは「こども達の様々な想いに寄り添うクラシック音楽を通しての情操教育の取り組み」です。北海道こどもホスピスプロジェクトの応援アンバサダーに元札幌交響楽団コンサートマスターの大平まゆみ氏がいます。彼女はALSを発症後は一線からは退いたものの、現在も引き続きこどもホスピス活動を応援してくれています。彼女の口癖が「いつも心に音楽を」であり、我々もこの言葉を大切に今まで活動を続けてきています。何らかの原因で演奏途中に退出する、痰の吸引の音がする、人工呼吸器の音がする、など様々なことが原因で本物の生の音楽に触れる機会を躊躇してしまう家族が多いことが今までの活動のアンケート等でも浮かび上がってきています。そこで、誰もが気兼ねなく参加できるユニバーサルコンサートを道内各地で実施し、本物の文化に触れ合う機会を創出します。

事業を実行していく上でのポイント・抱負

今回特にポイントと思うことは、自然環境が豊かな地域に暮らす子どもと家族が多いが、治療や療養を中心とした生活を余儀なくされていることが多く、病気や障がいを理由に野外活動は難しいと諦めてしまうケースが多いことです。また、治療が終わるとそれぞれの生活地域へと戻るため、同じような経験をしている仲間と出会う機会も少なく、さらに、COVID-19感染拡大に伴い、外出の機会は極端に減ってしまい、社会から孤立してしまっているケースも多いです。

北海道の地域特性を踏まえ、活動を展開していく中で、豊かな自然環境を活かし、日々成長発達を遂げている子どもたちに、様々なことにチャレンジできる外遊びの場を継続的に提供していきたいと考えています。 

特定非営利活動法人 北海道こどもホスピスプロジェクト

代表理事

奥田萌 さん

北海道にもこどもホスピスをつくりたい。病気と共にあって子どもが"こども"らしく、家族が安心して過ごすことができる自由であたたかな居場所をつくりたい。そんな思いから家族のためのイベント企画や広報を担当。前代表から団体を引き継ぎ、2023年12月代表理事に就任。病院での訪問演奏やお楽しみ会でみなさんの笑顔に出会える時、私自身も幸せです。

SNSでこの記事をシェアする

一覧に戻る