公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

おでかけ子育て広場~赤ちゃんとお母さんの居場所づくり~

災害支援ネットワーク NPOかけはし

被災した子どもの学びや育ちの支援活動助成

令和6年能登半島地震で被災した子どもの学びや育ちの支援活動助成 活動報告

代表者名
大原 砂利
事業名
おでかけ子育て広場~赤ちゃんとお母さんの居場所づくり~

支援地域/支援対象者/活動期間 活動地域や支援対象者の状況 支援の内容・方法 成果 考察

支援地域/支援対象者/活動期間

■活動地域
 石川県輪島市門前地区

■支援対象者
 輪島市門前地区を主とした、0歳児~中高生とその保護者(他地区や市外も可)

■活動期間 2024年1月6日~6月30日

活動地域や支援対象者の状況

■支援時の状況
大規模災害が発生した際、ライフラインの復旧や救援物資運搬など生活基盤の確立が優先され、子供たちの心のケアはどうしても後回しにされてしまいます。震災によるトラウマを上手にケアしないと、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症したり精神的バランスを崩してしまったりすることは、阪神淡路大震災の例から見ても明らかです。
また、復興が進められている現地では、運動場など広場への仮設住宅設置やトラック等の車両通行に伴い、子供たちの移動が制限されていることから、子供たちの極度な運動不足が問題となっています。これからの日本を担う子供たちのために場所と時間を提供し、ストレス軽減など心のケアや運動不足の解消、学習支援等を行うことが重要だと考えています。
また、保護者も家屋の片付けや子どもの世話でかなり疲弊をしており、「子どもを少しの間でも見てもらえれば」という声もよく聞かれます。身体的にも疲労がたまっており、マッサージ等をとおして、傾聴することでで体と心のリフレッシュを図ることが必要です。

支援の内容・方法

1月28日の第1回「わくわく科学ランド」をきっかけに、月2回(隔週)隔週で子ども向けイベントを輪島市門前町で開催しました。
第2回は能登震災支援Projectさんくる主催により「さんさんSunくるお出かけカフェ」と題し、当団体やNPO法人「森の遊学舎」、TEAMJAPAN マッサージチーム等が共同で開催し、参加者は、幼児~中学生で、缶バッジ作り、プラバン、竹細工、運動をなどを楽しみました。
第3回からは、災害支援NPOありんこさんとの協働により、実施をしました。
保護者の皆さんから「いままで自由に遊ばせてあげられなかったので、こういう機会があるのがとても嬉しい」「今後も継続して開催して欲しい」な どの要望をいただいています。

本助成を利用し次のイベントを開催しました。
・名称:おでかけ子育て広場~赤ちゃんとお母さんの居場所づくり~
・日時:2024年4月28日(日)
・場所:石川県輪島市立門前東小学校 体育館
・対象:輪島市内外の0歳児~中高生
・共同主催:災害支援NPOありんこ&NPOかけはし&にいみ木のおもちゃの会&TEAM JAPAN

【概要】
私たちNPOかけはしの「わくわく科学ランド」は、幼児~中高生は得意としているが、プログラム内容的に0歳児~3歳児には難しい面があります。
多くの子ども支援団体が現地に入り活動を行っているが、0~3歳児を対象とした活動はあまり行えていないのが現状でした。
そこで普段から岡山県で共同している「一般社団法人にいみ木のおもちゃの会」の協力を得て、0歳児~高校生までの幅広い年齢層を対象とし たイベントを開催しました。

■実施頻度、回数
①わくわく科学ランド 月に1~2回程度で計10回を実施
②おでかけ子育てひろば~赤ちゃんとお母さんの居場所づくり~  4月28日(日)

■告知方法
・輪島市内支援団体情報共有会議での拡散依頼
・輪島市立門前地区の各小中学校でのチラシ配付
・参加保護者間のLINEグループ
・NPOありんこのLINEオープンチャット

くるくるシャボン玉つくり
書道アートに挑戦しよう!
どでかシャボン玉に挑戦!
木のジャングルジム「くむんだー」
みんで一緒に「ジャンボリーミッキー」を踊ろう!
あれ?ボールが宙に浮いてるよ!?

成果

【わくわく科学あそび】
避難所やおでかけカフェにおいて実施をしたが、定期的に開催することで参加者から「次はいつきてくれるの?」「次は缶バッジづくりがしたい!」 など子ども達との関係作りができ、避難生活をおくる中での愚痴を聞いたり、不足しているものを聞いたりと、その後に必要な支援についても聞き とることができ、また新たな支援に繋げることができました。

【おでかけ子育て広場】 
木のおもちゃ、科学遊び、ダンス、音楽など様々なプログラムで子ども達が自由に遊んだり、みんなで一緒に踊ったりした。最初は「みんなで踊るより自由に遊びたい」といっていた男児も、徐々にダンスに加わり、最終的には全身をつかい思いっきりおどる姿が見られました。
 また保護者向けには子ども達が遊んでいる間、マッサージやお茶で息抜きをしていただきました。マッサージを受けながら避難生活のしんどさを語る方もおられたとのことです。
 参加者からは「本当に楽しかった!また開催してください!」という喜びの声や、お母さん同士が「久しぶり~どうしてたの?」など久々の再会を喜ぶ場面も見られました。

考察

 普段、走り回ったりする機会が極度に減っているため、体育館の中を全力で走り回ったり、スタッフの乗っかって遊んだりと、日頃のストレスを発散 している場面が多く見られました。
 おでかけ広場の「書道アート」コーナーでは、色紙に好きな文字を書き色をつけました。子どもの絵には、無意識の心理状態が表れると考えられて おり、色紙への色づけなどから支援が必要であろう子どもさんの心理状態の読み取りも行い、必要な支援にも繋げていきます。
スタッフと話したり、一緒に遊んだりする中で初めと終わりの作品に大きく変化が見られた子もいました。

 上記のような点からも分かるように、震災やその後の避難生活により、大きな不安など精神的なダメージが子ども達に多くかかっていることが顕著 みに現れています。そのため、災害時には一日も早く、そして継続的な子どもの支援が必要であると再認識しました。また、活動を展開するにあたり 他団体との連携はもちろん、地域の方々との連携も重要であることも今回の活動ではよく分かりました。今後も各団体等との連携を密にし、活動をおこないたいと考えます。

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