公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2025事業紹介|居場所を地域のパーマネンシー(永続性保障)拠点にステップアップするためのプロセスモデル事業

一般社団法人 ソーシャルペダゴジーネット

経済的困難を抱えるこどもの学び支援

居場所を地域のパーマネンシー(永続性保障)拠点にステップアップするためのプロセスモデル事業


重点実行項目
①教育機関とのネットワークを活用し、誰もが学びの入り口に立てる機会を提供する

②こども・若者の居場所「いとこんち」(居場所型・生活型・アウトリーチ型)の運営

③パーマネンシー(永続性保障)に向けた中核人材の配置と、拠点となる「まちの図書館」の試行

助成金額
¥3,500,000

選考にあたっての評価点
●学習支援に参加するこどもの条件や選定方法が明確であり、実現性が高いと評価します。
●公的機関だけでなく、市民や民間が参画することで、困りごとを抱えるこどもたちのセーフティネットを構築する試みは、必要性が高いと感じ、期待します。

1)団体の紹介

主にヨーロッパで「社会による子育て」の意味で用いられているソーシャルペダゴジーという概念を日本でも普及することを目指して、2022年に法人を設立しました。教育と児童福祉、母子保健と若者支援など、いたるところに立ちはだかる「見えない壁」を、現場で出会うこども・若者・地域とともに乗り越えることをモットーにしています。


2)今回助成を受ける事業の紹介(課題、実行項目)

当団体は、法人化する前の2020年から、「いとこんち」というこども・若者の居場所を運営してきました。親戚の家のような感覚で、食事・勉強・入浴・余暇など、放課後の時間を安心して自由に過ごせる一軒家です。いざ立ち上げてみると、学校の先生や保健師を中心に「行政・制度では手が届かない部分を何とかしてくれる」という期待が次々と寄せられ、これらに応えているうちにアウトリーチや宅配、緊急宿泊など急速に事業が拡がってきました。このままでは運営費の面でも、マンパワーの面でも、いずれ息切れをしてしまいます。今回の助成を受けて、これまで無尽蔵に拡がってきた事業を「制度と結びつけながら整えていく、ただし誰も取りこぼさない」という難問にチャレンジしていきます。具体例を挙げれば、これまで細切れに対応してきた生活支援・学習支援・就労支援を一連の仕組みに落とし込むことで、省力化が期待できます。緊急宿泊事業も、こども家庭庁が先日ガイドラインを示した「こども若者シェルター」制度の活用によって、より安定的な運営を検討します。

3)事業を実行していく上でのポイント・抱負

本助成を活用させていただくにあたっては「何をやるか」だけでなく「やってきたことをどう持続可能にしていくか」に挑戦します。大切にしたい言葉は、ソーシャルペダゴジーと合わせてパーマネンシー(永続性保障)です。単に、お金を安定的に確保することで事業を継続するということではなく、いつでも、いつまでも、立ち寄れる場を地域に残していく仕組みづくりが目標です。
相談窓口は、解決したらケース終結です。こども・若者専用の居場所だと、大人になったら足が遠のきます。本助成事業を通じて私たちが目指すパーマネンシーとは、「いとこんち」を巣立った若者が10年経っても我が子を抱いてふらっと立ち寄れる、そんなまちの拠点づくりです。

一般社団法人 ソーシャルペダゴジーネット

代表理事

松田 考(まつだ こう)さん

困難を抱える若者や家族の相談に応じながら、行政機関・学校・民間団体の連携によるネットワークを構築。 2020年6月より、こども・若者の居場所「いとこ んち」を設立し、地域社会による子育て(ソーシャル・ペダゴジ―)に取り組んでいる。
こども家庭庁こども・若者支援体制整備及び機能向上事業アドバイザーほか。

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