公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2025事業紹介|困難を抱えるこどもの社会参画に向けた自立準備支援

認定NPO法人 Learning for All

経済的困難を抱えるこどもの学び支援

困難を抱えるこどもの社会参画に向けた自立準備支援


重点実行項目
①自立に向けた支援の設計と実践

②関係機関と連携した支援体制作り

③居場所の継続的な運営及び自立支援との連携・役割分担の明確化

助成金額
¥2,706,936

選考にあたっての評価点
●経済的困難を抱えるこどもの「生きる力」を育むことを中核とした「学び」を具体的に整理・計画されている点を評価します。
●社会的自立支援モデルとして、他団体の参考となるような発信を期待します。

1)団体の紹介

Learning for All (LFA)は、「こどもの貧困に、本質的解決を。」をミッションに掲げています。
現在、日本のこどもの9人に1人が「貧困」状態にあると言われています。経済的な貧困だけでなく、 不登校、虐待など、様々な要因が絡み合って解決が困難なものとなっています。
そこでLFAは、目の前にいるこどもにどこまでも寄り添い、支え抜くことと、一つの団体ではできない大きなうねりを生み出し、社会の構造そのものを変えていくことの両立によって本質的な解決を目指しています。


2)今回助成を受ける事業の紹介(課題、実行項目)

LFAで運営している居場所は、経済的困窮を主因とした様々な困難を抱えた6-18歳のこどもを対象としています。長らく運営する中でこどもも成長し、社会への送り出しを経験してきました。そのなかで、「"社会へ出る"や"家庭から自立する"等の移行のなかでつまづくこどもたち」という課題に直面することが多くなってきました。
そこでLFAでは、この課題の本質的な解決に向けて、現場での水際対応とともに、解決の仕組み化を見据え、以下の活動を行いたいと考えています。
①社会的自立に向けた支援の実践とモデル化
②関係機関と連携した支援体制づくり
③地域での自立支援に関するアドボカシー及び制度改変に向けた取り組み

3)事業を実行していく上でのポイント・抱負

社会的自立に向けた悩みを抱えたこどもたちと向き合う中で、課題発生の大きな要因についてLFAでは次のように考えています。
①こども期に経験すべきことができていない→社会的自立に必要な経験の不足
②環境が劇的に変化するなかで、適応する潜在能力が低く、相談できる相手もいない→環境変化に対応できる経済的および社会関係の資本不足
③児童福祉の枠組みでは対応できない年代となることで、支援が手薄になる→支援制度の不在による孤立化
加えて、家庭やこどもの状況に個別性があること、成長に合わせて適切なタイミングで介入する必要があるため行政対応がしづらいことも背景にあります。
LFAは居場所づくりや学習支援等といった形で直営拠点を運営する中で地域のネットワークをつくり、こどもを見逃さず、早期につながることや、成長段階に合わせ、必要なサポートを切れ目なく行う支援の形のモデル化に注力してきました。モデルはこども支援団体への提供等により全国的に展開しています。
この事業経験を最大限活用し、支援の実践とモデル化を推進し、最終的には地域でのアドボカシーや制度が整うことを目指していきます。

認定NPO法人 Learning for All

代表理事

李 炯植 さん

1990年、兵庫県生まれ。東京大学大学院教育学研究科修了。2014年に特定非営利活動法人Learning for All を設立、同法人代表理事に就任。経済的困窮、家庭環境などをはじめ、様々な困難を抱えたこどもへの無償の学習支援や居 場所支援を行っている。全国こどもの貧困・教育支援団体協議会 副代表理事ほか、一般社団法人社会的養育地域支援ネットワーク 共同代表、新公益連盟理事を務める。2022年「内閣官房のこどもの居場所づくりに関する検討委員会」の検討委員をはじめ、その他省庁・自治体の委員やアドバイザーなども歴任。

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