公益財団法人ベネッセこども基金

プログラム活用事例

ネット 15分の保健指導タイムを使って養護教諭からネット依存防止のための指導を実施

岡山県 備前市立片上小学校

子どもの安心・安全を守る活動

『低学年への指導は予防に効果的。高学年では実態に即してマイルールを考えました。』

報告者
養護教諭 西田先生
実施日時
2021年1月12日(火)~15日(金)
参加者
1年生児童 18名、2年生児童 19名、3年生児童 25名、4年生児童 24名、5年生児童 25名、6年生児童 13名 

<目的>

電子メディアの影響で基本的生活習慣の定着に課題があり、ゲームや動画への依存を防ぐための取組を学校をあげて実施しています。ネット依存を防ぐためにルールを守ったり、SNS使用のモラルについて正しく理解し行動したりするきっかけにしたいと考え、各学年の実態に合わせて安全教室の教材を使用して指導することとしました。

<内容>

身体測定時のミニ保健指導(学活)の0.5時間を活用し、養護教諭が指導しました。講師用プログラム15分版を使用し、冊子と振り返りシートを配付して各学年で授業を行いました。

各教室の大型テレビでスライドを映しながら、「動画やネットがやめられなくなる危険性」「オンラインゲームやSNSは楽しいけれど、使い方のルールやマナーが大切」ということについて重点を置いて指導したところ、ルールの大切さやネットの危険性について気づいた児童がたくさんいました。

振り返りシートは4年生以上の児童で使用しました。「SNSでのやりとりには、思いやりをもつことが大事」「ネットで知り合った人には会わない」については、100%の児童が肯定的な回答でした。「インターネットを使いすぎると困ることがある」には、2%の児童が否定的な回答をしており、継続した指導や個別指導の必要性を感じました。

最後にご家庭でおうちの人と冊子を一緒に読んでもらい、メディアのルールについて話し合うように促しました。また、冊子の中にある「わが家のスマホルール」を必ず決めておくように伝えました。

スライドを活用した授業の様子(4年生)
冊子を見ながら振り返りをする様子(5年生)


<感想>

児童

  • 【6年生】
    インターネットの危険性がわかりました。SNSなどをやっているとつい時間を使いすぎてしまうことがあるので、気をつけたいです。
    【考えたルール】
    ①寝る30分前にはメディアをやめる
    ②朝はメディアを使用しない
    ③ゲームをするときには、リビングで使用する
    ④10時にはやめる
    ⑤ネットに個人情報を書かない
  • 【5年生】
    ゲームや動画などにはいろいろ危ないことがあるんだとわかりました。これからはルールをしっかり守りたいと思います。
    【考えたルール】
    ①危ないものはおうちの人に見せる
    ②時間を決めて使用する
    ③知らない人とやりとりしない
  • 【4年生】
    インターネットはこわいんだなと思いました。ふだんからちゃんと家族と相談していてよかったと安心しました。インターネットはこわいけど、ルールを守っていたらこわくないことがわかりました。わたしには、まだスマホは早すぎじゃないかなと思いました。
    【考えたルール】
    ①知らない人には会わない
    ②家の人と相談する
    ③ゲームをしすぎない
    ④意味がわかるまでメッセージを読みかえす
    ⑤約束を守って使う
    ⑥個人情報をのせない
    ⑦許可がないかぎりスマホを使用しない
    ⑧年齢制限を守る

教員

  • SNSやオンラインゲームの使用によって心や体の健康を害する危険性があることや、ルールやモラルを守ることの大切さについて指導するにあたり、教材の冊子やスライドがとても効果的でした。教材はマンガ形式になっているため、児童にわかりやすく伝わり、学年の実態に応じで活用することができました。スライドも冊子に合わせた内容になっていたので、指導ポイントが明確になり効果的に伝わったと思います。
    早い段階から正しい知識を持たせていくことが大切で、スマホやネットのルールについて考えるよい機会になりました。


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