公益財団法人ベネッセこども基金

プログラム活用事例

ネット 年3回の「生活リズムチェック週間」に合わせてメディア指導

新潟県 佐渡市立行谷小学校

子どもの安心・安全を守る活動

『「ゲームの時間を減らしたい」「友達と一緒にルールを守りたい」などの声が児童から多くあがりました。』

報告者
養護教諭  斉藤先生
実施日時
2021年11月15日(月)、18日(木)
参加者
5年生児童18名、6年生児童12名

<目的>

本校では、児童がよりよい生活習慣を身につけられるよう、「起床・就寝・朝食摂取・歯みがき・メディア接触」に焦点を当てた「生活リズムチェック週間」を年3回実施しています。その期間には、全学年でメディア利用についての指導を行っています。

令和2年度に実施した児童の「スマートフォン等の利用に関する実態調査」の結果では、自分専用のスマートフォンやタブレットを所持している児童が、令和元年度に比べ増加していました。また、新型コロナウイルス感染症の流行により、自宅で過ごす時間が増え、スマートフォンやタブレットの利用時間が長くなった児童も多くなっています。こうした実態から、今後インターネットトラブルにあったり、巻き込まれたりすることが心配されます。

そこで、高学年の児童に対し、スマートフォンやインターネットの安全な利用に関する指導の実施を考えていたところ、学校に案内が届いたので教材を申し込むことにしました。

<内容>

【5年生】
学級活動の時間を使い、講師用プログラムに沿って45分間の授業を実施しました。メディアの長時間使用について考える動画は、4つのトラブル事例の中でも5年生にとって最も身近で、経験したことのある事例だったので、グループでの話し合いも活発な意見交換となりました。

SNSトラブルについて、グループで話し合う

また、ゲームのやりすぎを防ぐために自分の家庭で行っている対応策(見守り設定や家の人と決めたわが家のメディアルールの内容、ルールが守れなかった際のペナルティ等)を児童がお互いに紹介し合うグループもあり、自分の利用時間や使い方を考えるよい機会となりました。

スマートフォン・インターネットの安全な使い方について考える

【6年生】
15分版の投影用スライドとシナリオを使い、学級活動の時間に授業を実施しました。さまざまなテーマの中から、子どもたちの実態やこれまで学校で指導してきた内容をふまえて指導資料を選びました。当日は、スマホ依存を中心に取り扱いました。依存を防ぐために、友達とメディアのルールを共有し、互いに守るという点が特に子どもたちにとって目新しかったようで、取り入れたいという意見が多く見られました。

スマホが手放せなくなっていないかについて考える

指導後に、5.6年生全員に冊子「初めてのスマホ安心ガイドブック」を配付しました。家庭でも保護者のかたと一緒に冊子を読んで、スマートフォンの利用のしかたを確認してもらうために、保護者へのお願いの文書も添えて渡しました。

授業後の振り返りをタブレットで入力

<感想>

児童

  • 今まであまり気にしていなかったけれど、インターネットのこわさがわかりました。私は最近インターネットの利用時間が増えていたので、減らそうと思いました。またSNSを使うときも、これからは相手に伝わる文章になるように、送る前の読み返しをしていきたいです。(5年生)
  • ゲームに夢中になると、家の人と約束した時間が過ぎていることがあるので、これからはタイマーをセットしたり、家の人に声をかけてもらったりして、夜おそくまでやらないようにします。(5年生)
  • 今までのようなメディア機器の使い方ではだめだと思いました。さっそく、今日から家の人と相談してルールを作ろうと思いました。また、友達ともルールを共有する、勉強をしている時にはメッセージを送らない、などのルールも作っていきたいです。そして、インターネットの使い方に気をつけ、ゲーム依存症にならないようにしていきます。(6年生)
  • 私は最近、ゲームをやりすぎているので直したいです。また、友達のゲーム時間は1時間なので、時間になったら一緒にやめようと思います。そして、やりすぎないように夜は家の人にゲーム機を預けたり、友達とゲームができない日は自分でアラームを1時間にセットしたりして守っていきたいです。これからは、ゲームのやり過ぎに気をつけていこうと思います。(6年生)

教員

  • 授業後の児童の振り返り記入を見ると、これまでにインターネットやスマートフォンの利用で大きなトラブルがあった経験はなく、授業を通していろいろな危険性があることを知った児童が多くいることがわかりました。怖い思いや困った経験をする前に指導を実施することで、トラブルの回避につながると考えます。今後もインターネットやスマートフォンの安全な利用ができるように、児童の実態に合わせた指導を継続していくことが必要だと感じました。(5年生担任)
  • 以前、自分で資料を作成して指導を行いましたが、手間がかかりました。今回のようにベースとなるものがある上で授業ができると、教員の負担も少なくなり、非常にありがたかったです。 (6年生担任)

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