公益財団法人ベネッセこども基金

プログラム活用事例

ネット 話し合いで児童の考えがしっかり深まった情報モラル指導

埼玉県 鶴ヶ島市立長久保小学校

子どもの安心・安全を守る活動

『情報モラルの授業を自分で準備するのはとても大変でなかなかできませんでしたが、質の高い教材セットをいただけたので有意義な授業を行うことができました。』

報告者
6年生担任 阿部先生
実施日時
2022年3月15日(火)・16日(水)
参加者
6年生児童 58名

<目的>

近年新型コロナウィルスの流行によって、児童が家庭で過ごす時間は増加しています。それに伴いストレスを抱えている児童も見受けられる現状があります。またGIGAスクール構想により、一人一台タブレットが配布されています。本校でも学習のツールとして家庭での利用を推進しており、多くのメリットがある一方で、児童が実際どのように活用しているのか見取ることができないといった課題もあります。

このようにインターネットをいつでも活用できる環境の中で、情報モラルに対する理解や判断力を養っていきたいと考えていたところ、一昨年度、本校で「先生の授業用プログラムと親子で学べる情報冊子配付」を保護者対象に行ったという話を聞きました。長期休業前であり、また中学進学を見据えたこの時期に、今度は児童を対象に指導を行いたいと考え、教材を利用しました。

<内容>

授業は下記のような流れで行いました。

①携帯電話の所持率についての確認
②SNSで起こりうるトラブルの予想
③教材スライドを使った講義・話し合い
④振り返り

これまでにも国語や道徳、弁護士によるいじめ防止授業、警察官による非行防止教室などでも、今回の内容と似たようなことを取り上げることはありました。しかし、今回の授業によって、より児童が深く考える機会を設けることができました。

今回の授業で児童が今までより深く考えることができた要因は、
1)SNSトラブルで起こりうる具体的な例があったこと
 →児童たちの「考えたい!」という興味関心を引き出すきっかけとなりました。
2)トラブルの原因について児童同士で話し合う時間がスライドの中でも確保してあったこと
 →話し合いの時間も含めた授業プログラムで、多様な考えを交流し、理解を深める姿が見られました。
3)解決策が教材の中で提示されていたこと
 →新しい視点を得ることができ、今後このような問題に直面した時でも「こうすればいいのか!」という安心感を感じる児童が見られました。

動画教材に関心を寄せ、集中して視聴する児童たち

授業が終わった後も、教材冊子「初めてのスマホ安心ガイドブック」をほとんどの児童が熟読していました。最後のページの「わが家のスマホルール」を自宅で考えてくることを宿題とし、保護者との連携も図ることができました。

授業の翌日、自主学習ノートに「初めてのスマホ安心ガイドブック」についてまとめた内容を書いてきた児童や、授業のスライドで学んだ内容をまとめた児童も見られました。

<感想>

児童

  • 夢中になりすぎると、判断能力が低下して周りの人を傷つけてしまうこともあるとわかりました。
  • スマホを使用する時間を決めたり、メッセージを送る前にもう一度考えたりする必要があると感じました。
  • 自分はスマホをもっていませんが、以前ゲームをやっていたら知らない人からメッセージが来て、軽い気持ちで返事をしてしまったことがありました。何もなくてよかったけれど、今回の授業を通して、気をつけなくてはいけないのだと感じました。

教員

  • このような授業はしなくてはいけないなと考えてはいたものの、他の業務に追われ、資料を作成できない状況でした。そんな中、大切なポイントが具体的にわかりやすくまとまっている教材を提供して頂けたことによって、負担なく授業を行うことができました。 また、指導の流れの資料も頂けたことが非常にありがたかったです。児童がスライドや動画、話し合いによって、考えを深めていく姿を見て、本資料が有効な教材となったことを実感しました。今後は今回のような児童対象の授業に加え、保護者対象にも行っていきたいと思います。素晴らしい教材をありがとうございました。

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