公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

防犯 もうすぐ夏休み。防犯対策を忘れずに!

子どもの安心・安全を守る活動

専門家コラム:防犯編VOL.79
担当:安全インストラクター 武田信彦



夏休みこそ、防犯対策が欠かせません

 もうすぐ夏休みですね。夏休み前のこの時期は、各地で防犯研修や児童向けの防犯セミナーを多数実施しています。札幌市では、5日間にわたり小学校11校にて計18回、約2,600名の児童たちと「自分を守る力」について確認しました。

 子どもの防犯対策は、保護者や地域のみなさまによる子どもたちを守る力が最も大切である一方、現状では"子どもだけ"で行動する場面も多く発生しているため、子ども自身が「自分を守る力」を知り、発揮することも欠かせません。とくに、夏休みは、「①子どもだけになる瞬間が増える」「②子どもだけでの行動範囲が広がる」などを背景に、子どもをねらう犯罪が増えやすい時期であるため注意が必要です。また、夏休みに入ると、日ごろは通学路を中心に取り組まれている防犯ボランティア等の活動も休みになることが多く、地域の見守りの力も及びにくくなります。


夏休みを迎える前に、チェック!

 夏休みの間は、「①外出時の防犯対策(自宅の出入り含む)」「②留守番時の防犯対策」こちら)を忘れずに行ってください。とくに最近は、自宅周辺での犯罪被害が目立っているため、子どもだけで自宅を出入りする際は、「周りをしっかり確認する」「カギを必ずかける」の習慣をくり返し確認していただきたいのです。また、日ごろはランドセルに装着している防犯ブザーも、夏休みに使用するお出かけバッグやリュックに付け替えておきましょう。防犯ブザーは、子どもがもつ「助けて!を伝える」「危険から逃げる」などの対処力を手伝ってくれる大切な道具だからです。


子どもだけの瞬間が生まれる場面に注意

 子どもをねらう犯罪の多くが、「子どもだけの瞬間」に発生する傾向がみられます。地域特性や行動時間帯など、個々人によってパターンは異なりますが、とくに大通りから一本入った路地のような、「人通りが少ない道」「駐車場の近く」「駐輪場」「集合住宅の敷地内」「自宅周辺」等では周りをしっかり確認するなど、自分を守る力を発揮してください。

また、「子どもたちだけで遊びに行く公園」も注意が必要です。みんなで遊んでいるのであれば比較的安全なのですが、例えば「かくれんぼ」など、一人ひとりが遊具や木の陰などの死角にあえてとどまるような遊び方は、犯罪被害リスクを高めてしまいます。子ども同士ではお互いを見守ることが難しいため、一人でも大人が付き添い、見守りをしていただくことが一番安全です。

さらに、家族でレジャー施設やショッピングモール等へお出かけする機会にも注意が必要です。周りに人が大勢いるような環境でも「子どもだけの瞬間」は発生することがあるからです。とくに、「子どもだけでトイレへ行く瞬間」は、犯罪被害リスクが最も高まる場面でもあります。防犯対策上は、大人が付き添い「バリアフリートイレ(だれでもトイレ)」を使用する、トイレの外から声かけをするなど、見守りをしていただくことなどが有効です。不特定多数の人がいる環境では、「誰かが見ていてくれる」=安心感よりも、"「誰かに見られているかもしれない」=防犯意識"を持つことが重要です。しっかり備えて、安全で楽しい夏休みを過ごしていただきたいと思います。

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