助成団体紹介
事業紹介|立体オリジナル絵本で子どもたちと楽しみながら医療的ケア児等への理解を促す心のバリアフリー促進教育事業
一般社団法人 在宅療養ネットワーク
立体オリジナル絵本で子どもたちと楽しみながら医療的ケア児等への理解を促す心のバリアフリー促進教育事業
【重点実行項目】
①絵本作家さんと協働し、対象児童の疾患理解を深めるためのオリジナル立体絵本を用いた参加型読み聞かせ
②参加型読み聞かせ風景のアルバムテキスト化・配布
1,520千円
【選考にあたっての評価点】
未就学児童を対象とした身近な子どもの疾患にあわせた理解促進教材開発と読み聞かせという手法のユニーク性
医療的ケア児等への理解を促す心のバリアフリー促進教育
団体紹介
平成24 年 法人設立
平成25 年 訪問看護事業・居宅介護支援事業・療養通所介護事業を開始【介護保険事業】
平成29 年 重心型児童発達支援・放課後等デイサービス事業を開始【障害児通所支援事業】
平成30 年 重心型生活介護事業を開始【障害福祉サービス事業】
付帯事業として医療的ケア児・家族からの相談受付やコーディネート事業、介護者・家族のためのサークル活動主催、看護学校の実習生受入、特別支援学校修学旅行引率、特別な日の支援(外出・旅行付き添い)等を行っている。地域に密着した小規模の事業所で、高度な医療的ケアを必要とする児童~高齢者が「安心して出かけられる」「住み慣れた地域で暮らす」「生きて良かった人生を歩む」ことのできる支援を開始。その後、多様な相談を受けながら、介護保険適応外の重度障害児・者も年齢制限なく支援できる組織を目指し、事業拡大を計画中。
助成事業の概要
◆課題の背景
小児の医療的ケアに対応できる支援者が不足しているのみにとどまらず、地域住民の医療的ケア児に関する理解も不十分であるため、地域の中での自宅と病院以外の居場所を持てていないのが現状である。
近年の制度充足に伴い、医療的ケア児の就園・就学が可能になった。県内でも十数名が、保育園もしくは、幼稚園、地域の小学校に所属している(県内の医療的ケア児(者)は推定196 人と実態調査報告あり)。
だが、その就園・就学先における集団での子ども同士の関わりや、遊びの確保が十分にできておらず、医療的ケア児が不本意な関係を要求されたり、心無い言葉に傷つけれられたりする場面がある。
特に、就学前の幼保通園時は、道徳等の教育機会もなく、また、本人や家族の意向確認を取っての児童に理解可能な言葉での病名開示システムも整っておらず、年中・年長クラス担任から多々相談を受けており、実践現場の困惑が見て取れる。
助成事業のポイント
◆解決の方向性
この課題に対し、絵本作家さんと協働し、対象児童の疾患理解を深めるための参加型読み聞かせ事業を行っている。現在は、医療的ケア児に関わる幼稚園や小学校でのオリジナル立体絵本を用いた参加型読み聞かせを実施し、心のバリアフリー事業を展開している。
この活動を複数の事例展開化し、①対象児童の疾患理解を深めるためのオリジナル立体絵本を用いた参加型読み聞かせ事業を実施する。そして、②参加型読み聞かせ風景のアルバムテキスト化し、配布する。これにより、より多くの方に広め、多様性を柔軟に受け止める子どもたちと楽しみながら、心のバリアフリーを促進できるよう事業拡大を試みたい。
◆期待される効果
絵本作家さんと協働し、対象児童の疾患理解を深めるための参加型読み聞かせ事業により、個々の医療的ケアの特性に対応した教材開発ができる。その教材により、聞きなれない医療的ケアの用語や、身体構造、ノーマライゼーションに関する用語を絵本を通して習得することができ、医療的ケア児との関わりの経験の有無を問わず、知識の普及と心のバリアフリー化を促進できる。
加えて、依頼対象が居られる場合は、その対象の疾患特性や障害特性に応じたオリジナル立体絵本を作成し、その対象への理解促進と心のバリアフリー化がすすむ。また、これをテキスト化することで、より広域かつ反復できる学びの機会を展開でき、より正しい知識の普及と、それに伴った全国でのノーマライゼーションの浸透が進み、より多くの医療的ケア児が地域社会の中で孤立することなく日々を楽しめることが期待できる。
英 早苗さん
平成24 年~ 一般社団法人 在宅療養ネットワークを設立し、代表理事として赴任経営と同時に、准看護学校に通学するなど更なる資格取得を続けながら(※2)、介護業務(後に看護業務)やケアマネジャー業務、相談支援業務やその他付帯事業を行う。県内で受け入れ先がないという重心児・者の相談を広く受け、職員研修等を経て事業を拡大。
※2:
平成29 年 医療的ケア児等コーディネーター養成研修修了
平成30 年 相談支援専門員・児童発達管理責任者資格取得、准看護師資格取得
令和元年度については、厚生労働省老人保健健康増進等事業「地域共生社会に貢献する看護小規模多機能型居宅介護事業所および療養通所介護の多機能化に関する調査研究事業」調査研究委員、日本訪問看護財団「療養通所介護推進委員会」委員、香川県「医療的ケア児等の支援にかかる事例検討会」講師、高松第一学園非常勤講師等にも着任し、社会の変化に応じた新しい地域のデザインを思案中。また、来年度には現在建設中の新事業所へ移転し、既に行っている事業をさらに発展させていくと共に、新たな地域連携の拠点としての役割も担うことを目指していく。