助成団体紹介
事業紹介|学校現場における病気を抱える子どもの支援課題調査と啓発事業
認定特定非営利活動法人ポケットサポート
学校現場における病気を抱える子どもの支援課題調査と啓発事業
【重点実行項目】
①学校現場における病気を抱える子どもたちの支援課題およびニーズ調査
②学校現場における病気を抱える子どもたちの教育支援を考えるシンポジウム開催
1,858千円
【選考にあたっての評価点】
行政と連携して自治体単位で支援ニーズを把握し、シンポジウムで提言につなげる意義は大きい
学校現場の支援ニーズ調査
団体紹介
長期の入院や療養によって、学習や体験の機会を失ってしまう子どもたちがいます。彼らのそういった空白を「ポケット」と呼んでいます。ポケットサポートはそのような子どもたちを支援したいという思いから名付けられました。
病気による困難を抱えた子どもたちへの支援を通して、彼らが将来への希望を持って生活できるような活動を目的としています。また、活動を通じて病気の子どもたちの環境への理解が進むことで、彼らが安心して過ごせる地域や社会を目指しています。
長期にわたる入院や治療、療養が必要な子どもたちへの学習や復学を支援しています。不足しがちな社会体験を補うイベント活動、孤立感解消のためのコミュニティ作り、それらに関する事業を行っています。
支援者の中には、医療者、教育者、当事者も数多くおります。小児期に闘病経験のあるスタッフなど、病気の子どもたちの気持ちに寄り添う支援が行われていることが特徴です。
助成事業の概要
◆課題の背景
・白血病などの小児がんや先天性の心臓の病気などの難病治療のため長期入院や療養を余儀なくされた子どもは、院内学級に通級することになる。新しい学習環境や友人関係に戸惑うことが多く、不安も大きい。また長期入院の後、退院してもすぐに体調が戻るわけではなく、復学も困難である。命を救うために必要な治療や感染症対策等により行動や食事が制限されており、「子どもらしく遊ぶ、学ぶ、体験するといった、将来の成長発達のために必要な子ども時間」が十分に保障されていない。
・これまでのICTを活用した学習支援や地域連携コーディネートを展開する中で、子どもたちや保護者の要望にできる限り対応できるよう教育委員会や学校・医療機関と協力して取り組みを進めてきた。しかし、学校現場において長期療養している子どもの担任になる機会は少なく、どのように関わり、どのような配慮や支援が必要なのか、先生方の不安や悩みが大きいと感じている。
・病気や年齢など個別性の高い病気を抱える子どもたちの支援において、当団体のこれまでの様々な支援ノウハウを活かすた
めにも、学校現場の先生方(担任教諭や養護教諭)がどのような悩みや支援策を望んでいるのかをアンケート調査し、今後の子
どもたちの支援活動や学校現場との連携強化に活かしていきたい。
助成事業のポイント
◆解決の方向性
①学校現場における病気を抱える子どもたちの支援課題およびニーズ調査と調査報告書作成
⇒岡山県内の小学校、中学校、高校、特別支援学校を対象とした養護教諭へのアンケート調査実施
②学校現場における病気を抱える子どもたちの教育支援を考えるシンポジウム開催
⇒アンケート調査から見えてきた課題や、県外各地域で展開されている取り組みなどの情報共有
③上記②のシンポジウムをリアルタイムでYoutube ライブ配信
⇒ICTを活用した取り組みとして話題性をつくり、岡山から全国へ向けて病気を抱える子どもたちの社会課題発信
◆期待される効果
①学校現場における病気を抱える子どもたちの支援課題およびニーズ調査と調査報告書作成
・アンケート調査により学校現場における病気を抱える子どもたちの支援課題やニーズを見つけ出すことができる。
・調査報告書にまとめ県内の教育委員会や大学に配布およびWEB 公開することで支援の必要性を啓発できる。
・当団体のパンフレット等を調査票と同梱することで病気を抱える子どもたちの相談窓口が県内にあることを周知できる。
②学校現場における病気を抱える子どもたちの教育支援を考えるシンポジウム開催
・個別性の高い病気を抱える子どもたちの支援において他地域の教職員と情報交換できる機会となる。
・県内の保健所や教育委員会へもイベント案内を配布し、それぞれの地域で子どもたちの支援ネットワークを拡充できる。
・当団体の取り組みや、支援をした子どもたちの事例などを紹介し、学校現場での支援課題解決のヒントにして頂く。
③上記②のシンポジウムをリアルタイムでYoutube ライブ配信
・ICTを活用した取り組みとして話題性があり、様々な職種・県外各地からの同時視聴が期待できる。
・入院中など移動が困難な当事者家族も視聴することができ、リアルタイムで一緒に教育支援を考える機会となる。
・岡山県での調査結果がきっかけとなり、他県での調査や行政提案など病気を抱える子どもたちの支援拡充が期待できる。
三好 祐也さん
5歳で慢性のネフローゼ症候群を発症。義務教育のほとんどを病院で過ごす
岡山大学経済学部卒業
岡山大学大学院保健学研究科修士課程修了
研究テーマ:病弱教育、院内学級
自身の経験を通じて10年以上にわたり、病弱児の学習・復学などの自立支援と環境理解のための講演活動を行う。講演は学会や大学、小・中学校、福祉関係など多岐にわたっている。